- ノートパソコンでDTMってできるの?
- Surface GoでDTMはできる?
ノートパソコンでDTMをすることは不可能ではありませんが、デスクトップパソコンと比べて大きな制限がかかることを知っておかなくてはなりません。
この記事では、無謀にもSurface Go 2でDTMをしていた時のことを、今のデスクトップ環境と比較して振り返ってみます。
- 実際にSurface Go 2(メモリ8GBモデル)でDTMをやった感想
- Surface Go 2でDTMをするのに必要な物・必要なかった物
![](https://dtminfo.com/wp-content/uploads/2024/06/piko-150x150.png)
ソフトはCakewalk→Cubaseを使っていました。
自分のパソコンでDTMができるか不安な方は参考にしてみてください。
Surface Go 2でDTMはできるのか
![Surfase Go](https://dtminfo.com/wp-content/uploads/2024/06/surface-go.png)
![Surfase Go](https://dtminfo.com/wp-content/uploads/2024/06/surface-go.png)
Surface Go 2でDTMをすることはできるのでしょうか。
結論から言うと、真面目にDTMをやるには向いてないです。
なぜなら、DTMには以下の物が必要だからです。
- ある程度のスペック
- 大きい画面
- 複数のUSB-Aポート
- ソフトをダウンロードするハードディスクの空き容量
Surface Goは持ち歩きに特化したノートパソコンですから、以上のものは備え付けていません。
CPUパワーが足りない
メモリ8MBの物であればDTMソフトの推奨スペックをクリアできる場合が多いので、ソフト次第ですが動きます。
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Cubaseの推奨スペックは「メモリ8MB」とされています。
4MBモデルだと難しいと思います。
しかし、音声合成ソフト(ボカロ)も合わせて使うのは非常に難しかったです。
私のSurface Go2はメモリ8MB、CPUがIntel Pentiumの機種です。
音声合成ソフトの多くは、CPUとして「Intel Coreシリーズ」程度の性能を要求しています。
以下の表は、主要な音声合成ソフトの推奨スペックです。
CPU | メモリ | ストレージ容量 | OS | |
---|---|---|---|---|
Piapro Studio | Intel Core i5以上推奨 | 4GB(8GB以上推奨) | – | Win/Mac |
VOCALOID6 Editor | Intel Coreシリーズ/Xeon/Apple Silicon | 8GB以上 | 25GB以上 | Win/Mac |
CeVIO AI | Intel/AMD デュアルコアプロセッサー以上 | 4GB(8GB以上推奨) | 1GB以上 | Win |
Synthesizer V | Intel Core i5以上/AMD | 2GB以上 | 1GB以上 | Win/Mac/Linux |
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CPUで「Intel Core i〇」の〇は数字が大きくなると性能が上がります。
PentiumやCeleronはそれよりも下位のCPUです。
DTMソフトも、トラック数(楽器の数)が増えればそれだけCPUやメモリの性能が求められます。
本格的に楽曲制作を行っていくなら、スペック不足であることは間違いないです。
大きい画面がないと操作がしにくい
なぜDTMに大きな画面が必要なのでしょうか。
それは、DTMソフトは一度に見るべき場所が多く、Surface Goのような小さな画面では表示しきれないからです。
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Cakewalkを使っていた時は表示エリアを大きくしたり小さくしたりしてなんとかしのいでいました。
しかし、Cakewalkよりもできることが多いCubaseでは、一度に見たいところが増えてより不便に感じました。
こちらは現在の環境(デスクトップパソコン、27インチモニター)でのCubaseの画面です。
![Cubase](https://dtminfo.com/wp-content/uploads/2023/08/cubase-bigscreen-1-1024x552.png)
![Cubase](https://dtminfo.com/wp-content/uploads/2023/08/cubase-bigscreen-1-1024x552.png)
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プラグインを使いながらだとこれでもまだ狭いと感じるときがあり、2画面にしています。
そしてこちらがSurface Go 2で同じタブを開いた状態のCubaseの画面です。
![Cubase Surface Go 2](https://dtminfo.com/wp-content/uploads/2024/05/cubase-surface-go-1-1024x646.png)
![Cubase Surface Go 2](https://dtminfo.com/wp-content/uploads/2024/05/cubase-surface-go-1-1024x646.png)
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各タブはこれ以上小さくできません。せっま
複数のUSB-Aポートがないと周辺機器をつなげない
複数のUSB-Aポートが必要なのは、DTMをやっているとUSB接続の音響機器をパソコンに接続する必要があるからです。
代表的なものがオーディオインターフェースです。
ギターやマイクなどを接続するには必須ですが、そうでなくてもあったほうが音質の改善、ノイズの予防になります。
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また、MIDIキーボードもあると便利です。
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このように、あったほうがいいデバイスは複数あるので、USBのコネクタは多いに越したことはありません。
これらの多くの製品はケーブルがUSB-Aタイプです。
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Surface Go 2についているのはUSB-Cタイプです。
USBハブを使う方法もありますが、遅延の原因になるのでおすすめできません。
空き容量が大量に必要
DTMをするにあたって、ハードディスクにはどのくらいの空きが必要でしょうか。
参考の数値ですが、ソフトのみでCakewalkは12GB、Cubaseは13GBのフォルダサイズでした。
これにさらに作ったデータやプラグインを保存する領域が必要です。
どうしてもSurface Go 2でDTMがしたいときに考えられる対策
新しくパソコンを買う予算はない、または何らかの事情でパソコンは買えない。
でもSurface GoでDTMがしたい…
そんな方への対策を考えました。
できるだけ高性能のハブを使用する
USBハブを使うことはおすすめできません。
ですが、オーディオインターフェースも接続できないとなると話になりません。
私はどうしても外出先でCubaseを使わなくてはいけない時、エレコムのUSBハブを使っています。
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HDMI端子もついているのでおすすめです。
モニターをつなぐ
画面の小ささは、Surfaceにモニターを接続することで解決できます。
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Type-Cから直接繋ぐなら変換ケーブルのような商品もありますし、上で紹介したハブを使えば普通のHDMIケーブルも使えます。
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モニターがなくても、テレビにつなぐという方法があります。
外付けハードディスクを使う
これは本当に応急処置ですが、外付けハードディスクにソフトをダウンロードするという方法もあります。
しかしハブは必要になります。
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遅延は覚悟してください。
使って失敗だったアイテム
使ってみたけど失敗だったアイテムを紹介します。
「安物買いの銭失い」という言葉もあります。
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安い品物を買って何度も失敗しました。
USB-Cポートとイヤホンジャックに同時に挿すタイプのハブ
「Surface Go専用」と言って販売しているUSB-Cポートとイヤホンジャックに同時に挿すタイプのハブはおすすめしません。
どちらかの接触が悪いとつながりません。
また、オーディオの設定が煩雑になり、DAWの音が鳴らない可能性があります。
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どうしてもハブを使いたいなら、USB-Cだけで接続できるものにしましょう。
イヤホンジャックを巻き込むと、音を出す設定が難しくなります。
オーディオインターフェース内蔵のUSBケーブル
「オーディオインターフェース内蔵」のUSBケーブルもおすすめできません。
ウインドシンセサイザーを接続するために買った物ですが、MIDI接続タイプ・オーディオ接続タイプのどちらも遅延が酷く、楽器を録音することは不可能でした。
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きちんとしたオーディオインターフェースは必要です。
こちらの記事でも解説しています。
Surface Go 2でCakewalk by BandLabを使っていた時の使用感
ここからは、個別のソフトの使用感を見ていきます。
Cakewalk by BandLabは完全無料のDAWソフトです。
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ただし、今後無料版の開発は終了し、有料での提供になることが発表されています。
無料であることだけを理由に今から使い方を覚えるのはあまりおすすめできません。
Surface Go 2+Cakewalkのメリット
ここまでSurface Go 2におけるDTMのしづらさを中心にお伝えしてきましたが、今の環境(デスクトップ+Cubase)よりも良かったと思うことが1つだけあります。
それは打ち込みが直感的にできることです。
Cakewalkはタッチスクリーンに対応しているので、右手のマウスで入力しながら左手の指でスクロールできるのが非常に便利でした。
また、Cakewalkは音の高さをドラッグで変えるときに音が鳴るので、自分の鳴らしたい音を探しやすかったです。
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音感がないので…
Surface Go 2+Cakewalkのデメリット
一方で、やはりSurface Go 2でCakewalkを使うことにはデメリットもありました。
オーディオインターフェースがほぼ必須
オーディオインターフェースがほぼ必須でした。
パソコンのスペックの問題か、ドライバの問題かはよくわかりませんが、オーディオインターフェースなしだと音を出すための設定が非常に難しいです。
また、音が出なくなったり、ノイズが入ったりしやすいです。
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MIDIキーボードをオーディオインターフェース経由で接続するために
割高の物を買うことになりました。
![かつての作業環境](https://dtminfo.com/wp-content/uploads/2023/08/surface-cakewalk-300x225.jpg)
![かつての作業環境](https://dtminfo.com/wp-content/uploads/2023/08/surface-cakewalk-300x225.jpg)
処理落ちしやすい
ソフト側の問題かもしれませんが、複数ノーツを選択して移動しようとすると処理落ちして再起動せざるを得なくなる時がありました。
自動保存は絶対オンにした方がいいです。
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保存中に作業が止まるのは面倒ですが、使う価値のある機能です。
Surface Go 2でCubase12+VOCALOID6 Editorを使っていた時の使用感
Cubase Pro 12の試用版と、プラグインとしてVOCALOID6 Editorを使っていました。
Surface Go 2+Cubaseのメリット
Surface Go 2でCubaseを使うメリットは、意外と動作が軽い点です。
VOCALOID6 Editorがとにかく重かったですが、Cubase単体であればサクサク動きます。
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処理落ちもありませんでした。
Surface Go 2でCubaseを使うデメリット
Surface Go 2でCubaseを使うデメリットは、とにかく画面が小さいことです。
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CubaseはCakewalkよりできることが多い分、ウィンドウが狭く感じてしまいました。
まとめ:DTMをガチりたいならSurface Goは厳しい
ここまでSurface Go 2でDTMはできるのかどうかについて見てきました。
結論をまとめます。
- Surface Go 2でDTMはできなくもない
- ただし快適にDTMをするためには、さまざまな工夫と設備投資が必要
DTMは作業の効率化が勝負です。
持ち歩きに特化したSurface GoでDTMを真面目にやろうとすると、かなりのストレスが発生することでしょう。
機材も割高になってきます。
趣味程度に触ってみるくらいなら良いですが、これからDTMを頑張っていきたい!という方はまずパソコンを見直すことが必要かもしれません。
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AIを使うプラグインの導入も考えているなら、BTOパソコンを検討してもいいと思います。
BTOで買うならマウスコンピューターがおすすめです。
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パソコンについて詳しくはこちらの記事で解説しています。