- DTM用のパソコンが欲しいけど、CPUとかメモリとかの差がよくわからない
- DTMにはどれくらいのスペックがあればいいんだろう
DTMにパソコンは不可欠ですが、DTMをするためのパソコンにはどんな性能が必要なのかわかりにくいですよね。
本記事では実際にパソコンでDTMをしている私が、DTM・パソコン初心者目線でパソコンのスペックの見方について解説します。
DTMのためのパソコンで重要なCPU・メモリ・ストレージは、事務作業にたとえると「作業する人」「作業机」「本棚」にたとえられます。
DAW(DTMをするためのソフト)を快適に動かすためには、CPU・メモリ・ストレージの3つのポイントに注目しましょう。
おすすめのスペックは、Intel Core i7/メモリ16GB/ストレージ(内部SSD)1TBです。
本記事を読めば、上記のスペックがおすすめな理由や自分でパソコンを選ぶポイントがわかります。
- DTM用パソコン選びに必要な主要パーツの基礎知識
- 主要なDAWの動作保証スペック
- おすすめの買い方
PCスペックの基礎知識①CPU
パソコンを選ぶためには、パソコンの主要なパーツについての知識があると比較がしやすいです。
DTM用パソコンを選ぶ上で重要なパーツについて解説します。
まずCPUについてです。
CPUは「作業する人」
パソコンのスペックで最も重要なのがCPUという部品で、パソコンの司令塔となる重要なパーツです。
CPUの主な役割は、私たちの操作を指令として解釈し、パソコン上で指令通りの作業を実行することです。
作業とは、簡単なものだと文字の入力やファイルを開くことなどがあります。
パソコンの動作を事務作業にたとえると、CPUは作業する人間に当たります。
指令の実行には、計算処理も含まれます。
Excelでの数式計算、画像編集ソフトでの色調補正、3Dゲームでの物理演算などの計算はCPUの仕事です。
CPUの性能はパソコンの性能と直結しています。
CPUが高性能ならパソコンを快適に操作したり、重いソフト(=計算処理の多いソフト)を動かしたりできます。
DTMにおけるCPUの働き
DTMのソフト(DAW)を動かすためには、たくさんの計算処理が必要です。
たとえばDAW上で音を再生するだけでも、CPUが以下のような作業をしています。
- 保存したオーディオファイルを開く
- 音声信号を処理して必要な音を生成
- エフェクトプラグインの処理
- MIDIデータを解釈し、適切な音を出すように音源に指示
- テンポ・再生タイミングを管理 など
さらにCPUはこれらの作業(タスク)のうちどれをどの順番で行うか管理し、処理を行います。
処理の速度が速く、また同時にタスクを処理する能力が高ければ、DAWを快適に操作できるのです。
タスクを同時に処理する能力は、CPUの「コア数」や「スレッド数」が関係しています。
先ほどの事務作業のたとえなら、これらは作業する人の人数ですね。
CPUの性能が低いと動作が重くなるだけでなく、再生する音や書き出した音声データにノイズが入ったり、正常に再生ができなかったりします。
CPUのメーカーと種類
CPUはメーカーごとのブランドで区別されます。
CPUのメーカーとして有名なのがIntelとAMDです。
IntelのCPU
IntelのCPUには「Core iシリーズ」という、広く使われているブランドがあります。
Core iシリーズのCPUはi5、i7などのように「i○」という書き方で性能が区分されます。
目安は以下の通りで、数字が大きくなるほど性能が高いです。
- Core i9…超ハイスペック
- Core i7…ハイスぺック
- Core i5…ふつうスペック
- Core i3…低スペック
「i○」の他に「世代」という区分もあり、発売時期を表しています。
世代も数字が大きいほど性能が高いです。
最新は「第14世代」です。
安いパソコンや持ち歩きやすさを重視したノートパソコンには、Intelの「Pentium」や「Celeron」というCPUが採用されているときがあります。
「Pentium」「Celeron」はCore iシリーズの下位ブランドで、i3よりさらに性能が低いです。
AMDのCPU
AMDには「Ryzen」というブランドがあります。
目安は以下の通りで、数字が大きくなるほど性能が高いです。
- Ryzen 9…超ハイスペック
- Ryzen 7…ハイスぺック
- Ryzen 5…ふつうスペック
- Ryzen 3…低スペック
AMD Ryzenにも世代があります。
最新は「第5世代」です。
Intel CoreとAMD Ryzenの比較
Intel CoreとAMD Ryzenは得意分野が違うので、単純なスペックの比較はできません。
Intel Coreはシングルコア性能が高く、一つの処理を高速で行うことが得意です。
対してAMD Ryzenはマルチコア性能が高く、複数の処理を同時に行うことに優れています。
重いプラグインをいくつも同時に動かすDTMにおいてはどちらの性能も大事です。
しかしIntel Coreには、ソフトウェアやプラグインとの互換性や安定性が高いという長所があります。
たとえばVOCALOID6 Editorの動作環境を見ると、AMDはサポートされていません。
Intel Coreを選んだ方が確実といえるでしょう。
DTM用パソコンのCPUのおすすめはIntel Core i7
DTM用のパソコンのCPUは、先ほど比較した通りIntel Coreシリーズがおすすめです。
Intel Coreの中でも、私はi7をおすすめします。
その理由は、多くの主要なDAWの最低動作環境はi5となっており、最低動作環境より1ランク上のものを選べば動作が安定するからです。
⇒主要DAWの最低動作環境まとめはこちら(ページ下部に飛びます)
i5だとちょっと不安、でもi9ほど高スペックじゃなくてもいいです。
⇒DTM用PCのおすすめの買い方はこちら(ページ下部に飛びます)
PCスペックの基礎知識②メモリ
メモリ(RAM)について解説します。
メモリの大きさは机の広さ
メモリは、パソコンの現在の作業内容を一時的に保存するためのパーツです。
作業内容を保存することで、CPUがすぐに必要なデータにアクセスできるようになります。
次に紹介するストレージとは働きが違います。
メモリに保存されたデータは、パソコンをシャットダウンすると消えます。
メモリの容量の大きさは、よく「机の広さ」にたとえられます。
たくさんの書類を扱う作業を行うとき、広い机いっぱいに書類を広げて置いた方が見やすく、作業がはかどりますね。
この例においては、「書類」が作業に必要なデータ、「作業する人」がCPUです。
メモリの容量が大きいほど、CPUがたくさんの作業を同時に実行できます。
DTMにおけるメモリの働き
メモリの容量もDTMにおいて重要です。
メモリの容量が足りていると、再生中の以下の動作が安定します。
- 複数のトラックを同時再生
- プラグインシンセで音を鳴らすときに、音源を読み込む
- DAWの安定性を保つ
特に高品質なオーケストラ音源やピアノ音源などは、大量のデータをメモリ上に読み込まないと動きません。
メモリが不足するとDAWが重くなったり音飛びが発生したりします。
最悪の場合DAWがクラッシュする(落ちる)こともあります。
DTM用パソコンのメモリは16GBがおすすめ
メモリは8GB、16GBなどの容量で選び、容量が大きいほど性能が高いです。
DTMにおいては、16GBがおすすめです。
多くのDAWの最低動作環境が8GBだからです。
オーケストラ曲など重い曲を作る予定があれば32GBもよいですが、基本的に16GBあれば足りると思います。
私のパソコンはメモリ32GBですが、DTMだけするには少しオーバースペック気味にも感じています。
メモリはどうしても足りないと感じたら増設するという手があるので、16GBをおすすめします。
⇒DTM用PCのおすすめの買い方はこちら(ページ下部に飛びます)
PCスペックの基礎知識③ストレージ
ストレージについて解説します。
ストレージはデータの保管場所
ストレージは、パソコンのデータの保管場所です。
メモリが一時的な保管場所であるのとは異なり、ストレージはデータを長期的に保存しておく場所です。
シャットダウンしても、ストレージにあるデータは消えません。
CPUが作業する人、メモリが机だとしたら、ストレージは本棚です。
データを長期的に保管する場所ですね。
エクスプローラで「Cドライブ」などと表示される場所でもあります。
DTMにおけるストレージの働き
ストレージの大きさもDTMには重要です。
DAWソフトは容量が大きいです。
作業に使うデータは、すべてストレージに保管しておく必要があります。
たとえばCubaseなら、ソフトだけで75GB使います。
また作ったプロジェクトや録音したデータ、ミックスダウンした音源、外部プラグインのデータなどもすべてストレージに保存します。
容量はあればあるほど安心です。
ストレージの種類
ストレージのタイプにはHDDとSSDの2種類があります。
SSDの方がデータの読み書きが速く、動作音も静かです。
HDDは一般的に「ハードディスク」と呼ばれるものですね。
SSDは新しいタイプのストレージです。
またストレージにはパソコン本体の内部に入っている「内部ストレージ」とUSBケーブルで接続する「外部ストレージ」があります。
外部ストレージを使えば簡単に容量を増やすことができますが、遅延が発生するためソフトやよく使うデータの保存には向きません。
最初から内部ストレージで大きい容量を用意しておくのが理想です。
DTMにおけるストレージは1TBがおすすめ
ストレージはタイプと容量で選びます。
DTM用のパソコンでは内部SSDで1TB以上がおすすめです。
特に自分で動画を作って投稿する人だと、ストレージはすぐにいっぱいになってしまいます。
私のストレージ1TBのパソコンは2年目ですが、すでに半分以上使っています…
⇒DTM用PCのおすすめの買い方はこちら(ページ下部に飛びます)
主要なDAWの動作環境
シェアの高いDAWの動作環境について調べました。
ストレージについてはソフト容量以上に多くの容量が必要であまり参考にならないので、割愛します。
CPU | メモリ | |
---|---|---|
Cubase | Intel Core i5/AMD Ryzen | 8GB |
Studio One | Intel Core i3/AMD A10 | 4GB |
Ableton Live | Intel Core i5/AMD Ryzen | 8GB |
Protools | Intel Core i3 | 8GB |
FL Studio | Intel/AMD | 4GB |
CPU | メモリ | |
---|---|---|
Cubase | Intel Core i5/AMD Ryzen | 8GB |
Studio One | Intel Core i3/AMD A10 | 4GB |
Ableton Live | Intel Core i5/AMD Ryzen | 8GB |
Protools | Intel Core i3 | 8GB |
FL Studio | Intel/AMD | 4GB |
Core i3などでも動作するDAWもありますが、そもそもi3ではDAW以外のソフトの動作が難しい場合があります。
新しくパソコンを買うなら、最低でもi5・メモリ8GB程度は必要です。
パソコンに求められるスペックは年々高くなっています。
安定性と長く使うことを考えるなら、1ランク上のi7・メモリ16GBがおすすめです。
DTM用のパソコン選びに関するQ&A
DTM用のパソコンを選ぶ際によくある質問とその回答をまとめました。
BTOがおすすめ!DTM用パソコンの買い方
Q&Aでお話しした通り、DTM用のパソコンは大手パソコンメーカーよりBTO(Build-to-Order)のメーカーで買うのがおすすめです。
大手のパソコンメーカーの通販で買うと、高くついてしまったり不要なソフトが入っていたり、購入後のサポートが少なかったりします。
BTOはメーカーがパーツを組み立てて販売する方法で、これらのデメリットを解消できます。
「パーツを自分好みにカスタマイズできる」のも最大のメリットです。
ストレージを増やすなどのオプションが自由に付けられます。
ある程度組み立てられた機種が通販サイトに載っているので、わかりにくければそのまま買うのでも十分です。
条件によっては手数料無料で分割払いを利用できるメーカーもあります。
管理人おすすめのBTOパソコンメーカーはマウスコンピューターです。
マウスコンピューターは3年間の無償修理、24時間365日受付のサポートのほか、注文した品を設置し、インターネット設定などをしてくれるサービスなどもオプションで付けられます。
\管理人おすすめ機種/
公式サイトの比較リスト機能など、選びやすさ・サイトの見やすさについてもマウスコンピューターは優れています。
GPUにもこだわるなら、ゲーミングパソコンを検討しても良いでしょう。
DTMの推奨スペックを知って、無駄なくパソコンを買おう!-まとめ
DTM用のパソコンを選ぶのに必要な知識について解説してきました。
まとめます。
- DTM用パソコン選びで重要なのはCPU性能・メモリ容量・ストレージ容量
- 推奨スペックはIntel Core i7/メモリ16GB/ストレージ1TB
- BTOの通販サイトで買うのがおすすめ
パソコンについて知り、最適なパソコンを用意して快適にDTMをしましょう!
\迷ったらこちら/