- CubaseのProとかArtistとか、何が違うの?
- どのグレードが自分に合っているか知りたい
Cubaseには5種類のグレードがあり、特にProとArtistは初心者からすると違いがわかりにくいですよね。
私も最初は迷った末にArtistを買いましたが、後からProにアップグレードしました。
本記事ではDTM5年目の私が、今からCubaseを買うならどのグレードがおすすめかを比較検討します。
DTM初心者やCubaseに慣れていない人であれば最初に通販サイトでArtistを買って公式セールを待ち、セール対象になりやすいアップグレードでProを購入するのが基本的におすすめです。
本記事を読めば、今買うべきCubaseのグレードはどれか知り、適切なグレードを購入してスタートダッシュを決められます。
- Cubase13のグレード比較
Cubase13の各グレードを表で比較
Cubase13には高い方からPro・Artist・Elements・AI・LEの5種類のグレードがあります。
このうちPro・Artist・Elementsが有料で、AI・LEは音響機器やソフトなどの付属品として入手できる無料版です。
AIはCubase開発元のSteinbergか、親会社のヤマハの製品についています。
LEはそれ以外の会社の製品についていることがあります。
各グレードは価格と使える機能がそれぞれ異なりますが、音質に差はありません。
各グレードの価格と、個人的に気になった機能面での違いを表にまとめてみました。
(表の下に用語の解説があります)
各機能の解説はこちら
トラック最大数 | 1つのプロジェクトで使えるトラックの数(1トラック=1つの音色) |
VSTインストゥルメントトラック | HALion Sonicなど、VSTに対応したプラグインシンセ(パソコン上で楽器の音を鳴らすソフト)の音源を使うトラック |
Letrologue、Padshop | Steinberg製のプラグインシンセ、音のカスタマイズができる |
インストゥルメントの種類 | 使える音色の数 |
スケールアシスタント | 指定したキーで使用できる音を教えてくれる機能 |
VariAudio | オーディオファイルのピッチ調整ができる機能 |
テンポトラック・拍子トラック | プロジェクト内でテンポや拍子を変更できる |
トラックの複数バージョン | 同じパートで別のバージョンを保存できる |
ノートエクスプレッション | ピッチベンドなどをノート単位で付けられる |
コードアシスタント近接モード | 親和性の高いコードを視覚的に教えてくれる |
VCAトラック | 複数トラックの音量を、オートメーション関係なしに調整できる |
Control Room | オーディオインターフェースで行うスピーカーの音量設定などをCubase内でできる機能 |
テンポ検出パネル | オーディオファイルやMIDIファイルのテンポを分析し、調整できる機能 |
トラック最大数 | 1つのプロジェクトで使えるトラックの数(1トラック=1つの音色) |
VSTインストゥルメントトラック | HALion Sonicなど、VSTに対応したプラグインシンセ(パソコン上で楽器の音を鳴らすソフト)の音源を使うトラック |
Letrologue、Padshop | Steinberg製のプラグインシンセ、音のカスタマイズができる |
インストゥルメントの種類 | 使える音色の数 |
スケールアシスタント | 指定したキーで使用できる音を教えてくれる機能 |
VariAudio | オーディオファイルのピッチ調整ができる機能 |
テンポトラック・拍子トラック | プロジェクト内でテンポや拍子を変更できる |
トラックの複数バージョン | 同じパートで別のバージョンを保存できる |
ノートエクスプレッション | ピッチベンドなどをノート単位で付けられる |
コードアシスタント近接モード | 親和性の高いコードを視覚的に教えてくれる |
VCAトラック | 複数トラックの音量を、オートメーション関係なしに調整できる |
Control Room | オーディオインターフェースで行うスピーカーの音量設定などをCubase内でできる機能 |
テンポ検出パネル | オーディオファイルやMIDIファイルのテンポを分析し、調整できる機能 |
↓トラックごとの機能や上限数について詳しくは下の記事で解説
実際に使って比較!Cubase13の各グレードの違い
Artist→Proユーザーの私の経験から、Cubase13の各グレードを比較します。
初心者で本格的に制作したい人におすすめなのはArtist
Elements・Artist・Proを触ってみましたが、「初心者だけどこれから本格的に音楽制作したい」「いきなりProはハードルが高いけどやる気はある」という人は基本的にArtistから始めるのがおすすめだと考えています。
理由としてはElementsは少し機能が足りないものの、Proは上級者向けの機能が多すぎるからです。
しかし続けていればProがほしくなってくるので、セールを狙ってProにアップグレードするとお得に買えます。
Artist→Proのアプグレ価格は29,700円(税込)で通常版の差額と同じですが、通販サイトでArtistのパッケージ版を買うとさらにお得になります。
比較①ProとArtistの違い
ProとArtistは特に迷いがちですが、予算がつくならProがおすすめです。
「いきなり6万円は…」という人には、いったんArtistを買ってセール時にProにアプグレするのをおすすめします。
ProとArtistの機能の違い
ProとArtistの機能の違いの一部として、以下のようなものがあります。
- Control Room
- テンポ検出パネル
- タイムワープ
- コードアシスタント近接モード
- VCAトラック
正直、「VCAトラックや近接モードは使うかな~」という程度です。
機能については特に初心者だと使いこなせない機能も多いです。
あらかじめ使える状態にしておき必要な時の選択肢を増やすことも重要ですが、機能面ではArtistでもそこまで不足はないと感じます。
ProとArtistの付属音源・プラグインの違い
プラグインエフェクトや音源については、圧倒的にProの方が多いです。
– | Pro | Artist |
---|---|---|
インストゥルメントの種類 | 3000以上 | 2600以上 |
内蔵VSTエフェクト | 81 | 62 |
– | Pro | Artist |
---|---|---|
インストゥルメントの種類 | 3000以上 | 2600以上 |
内蔵VSTエフェクト | 81 | 62 |
外部プラグインなどで機能・音源を増やせますが、プラグインにお金をかけるより必要なものがそろっているProを買うほうがお得という考え方もできます。
続けていればいずれProがほしくなる
DTMをCubaseで長く続けるつもりなら、きっといつかProがほしくなります。
私もそうでした。
Proにしたからといっていい曲は作れませんが、できることの選択肢は増えるので、可能ならばProがおすすめです。
比較②ArtistとElementsの違い
ProとArtistはソフトの名前が「Cubase 13」であるのに対し、Elementsは「Cubase LE AI Elements 13」と表示されます。
Elementsは無料版のAI・LEと同じソフトなのです。
ArtistとElementsの機能の違い
Artistで使えてElementsで使えない機能は表でも示した通り、以下のようなものがあります。
- VariAudio
- テンポトラック・拍子トラック
- トラックの複数バージョン
- ノートエクスプレッション
以上の機能は私もCubaseを使い始めてからすぐ使用したので、ないと不便です。
Elementsにはトラック数制限もあり、たくさんのトラックを使う曲を作るときは不便になります。
ArtistとElementsの付属音源・プラグインの違い
– | Artist | Elements |
---|---|---|
インストゥルメントの種類 | 2600以上 | 1000以上 |
内蔵VSTエフェクト | 62 | 48 |
– | Artist | Elements |
---|---|---|
インストゥルメントの種類 | 2600以上 | 1000以上 |
内蔵VSTエフェクト | 62 | 48 |
インストゥルメントの種類に倍以上の差があるので、音源の充実度は圧倒的にArtistが優れています。
またElementsではLetrologueとPadshopが使えないというデメリットがあります。
プラグインシンセは外部の無料のものでも代用できますが、取捨選択・導入は難しいです。
Cubaseを活用したいならElementsでは少し足りない
はじめから本格的に制作をしていきたい場合は、Elementsだと機能が足りない面があります。
無料版の延長の位置づけだと考えられるElementsをわざわざ買うのは、少しもったいないです。
お金を出してCubaseを使うなら、最低限Artistを買った方が便利に使えます。
比較③ElementsとAI・LEの違い
AIとLEは音響機材に付属する無料版で、ElementsとAI・LEは同じソフトです。
しかしAI・LEでネックとなるのはトラックの最大数の少なさです。
インストゥルメントトラックの最大数は、AIで16・LEで8となっています。
私が今まで作った曲だとインストゥルメントだけで30トラックほど使ったことがあるので、AIやLEだとまったく足りませんね。
また1トラックにかけられるエフェクト数も4と少なく、私でも4~5個は普通に使うので足りません。
やはりAI・LEはお試し版という位置づけで考えるべきです。
AI・LEを使ってみて、Cubaseが良さそうと思ったらArtist以上にアップグレードするのがおすすめです。
ElementsはAI・LEの延長線上にあるので、アップグレードしても恩恵を感じにくいと思います。
使える機能がぐっと増えるArtist以上がおすすめです。
Cubaseの人気グレードはPro!【独自アンケート結果】
当サイト読者のCubaseユーザーの方を対象に、使っているグレードのアンケートを実施しました。
結果は次の表のとおりです。
Cubaseユーザーの中ではProを使っている人が多く、また結果的にアップグレードしてProにする人も多いことがわかりました。
詳しい集計結果は以下の記事にまとめています。
こんな人にはこのCubaseがおすすめ
どんな人にどのCubaseのグレードがおすすめかをまとめます。
初心者はArtist、いきなりProも◎
これからDTMを始める人には、可能な限りProをおすすめします。
いきなりProを買うのに抵抗がある人はまずArtistを買って様子見し、セールを狙ってProにアップグレードするとお得です。
私の経験上ですが、そのうちProがほしくなります。
どうせなら最初からProを買った方が販売価格によってはお得です。
AI・LEからアップグレードする人はArtist以上
AI・LEからアップグレードを考えている人にはArtist以上がおすすめです。
Elementsはおすすめしません。
Elementsは無料版の延長にあると考えられ、アップグレードしても機能制限が多く恩恵が少ないからです。
公式サイト からアップグレード版を購入できます。
アップグレード版は公式サイトのみから購入できます。
他のDAWから乗り換えるならPro(クロスグレード版)
他のDAWを使っていて、DAWでどんなことができるかある程度知っている人にはProがおすすめです。
Cubaseならではの機能もProではたくさん使えるので、乗り換え・併用の恩恵を最も受けられます。
他社の有料製品を所持している人は、領収書などの証明書を提出することで割引価格でCubase Proを買えるクロスグレードという買い方ができます。
初心者はArtistがおすすめ、Proを買っておくのも◎-まとめ
Cubase13の各グレードについて比較してきました。
あくまで個人の感想ですが、初心者なら(Proにアップグレードするのを視野に入れつつ)Artistから始めるのがちょうどいいと感じます。
とはいえ通販サイトでは定価より安くProを売っている店もあるので、長い目で見てProを買っておいても損はないです。