ボーカルや単音楽器を録音したけど、ピッチやタイミングがずれていた……そんな経験はありませんか?
ピッチ修正などの編集は、専用のソフトなどが必要になる上に難しそうですよね。
しかしCubaseのPro、Artistに搭載されているVariAudio機能を使えば、簡単に修正することができます!
この記事では、VariAudioの基本的な使い方を見ていきます。
ボーカルや単音楽器の録音をする方はぜひ参考にしてください!
Cubase13 VariAudioで何ができる?
VariAudioはCubaseに搭載されているピッチなどの補正ツールです。
VariAudioを使うことで、オーディオデータに対して主に次のような操作が可能になります。
- ピッチの補正
- タイミングの補正
- フォルマントの変更
- ボリュームの変更
これらの操作を、検出された1音ごとに行うことができます。
また、オーディオデータからMIDIデータを抽出することも可能です。
ボーカルでの使用が想定されていますが、サックスのような単音楽器でも問題なく音を検出することができました。
VariAudioはPro・Artistだけの機能
非常に便利なVariAudioですが、Cubase Pro・Artistだけに搭載されている機能となります。
無償版のSE・AI、有償版のElementsでは使えないので注意してください。
Cubase13でのVariAudioの使い方
Cubase13でのVariAudioの使い方を見ていきます。
VariAudioを有効にする
オーディオデータを用意します。
イベントをダブルクリックしてエディター画面を表示させると、InspectorタブにVariAudioの項目が表示されます。
Cubase12から13へのアップデートでどこ行った!?と思いましたが
ちゃんとありました。
「VariAudioを編集」の横のカーソルマークをクリックします。
オーディオデータが分析され、エディター画面にこのように表示されます。
色のついた長方形(セグメントといいます)が検出された音のピッチの高さと長さを表しています。
線(ピッチカーブといいます)が細かいピッチを表しています。
上に行くほど高く、下に行くほど低くなっています。
サンプル音源はピッチが整っていて修正しようがなかったので、
自分の楽器で録音してきました。
アタックが汚いせいでピッチカーブがとんでもないことになっていますね。
セグメントの操作で各パラメーターを調整する
VariAudioではセグメントの操作で、さまざまなパラメーターが調整できます。
調整できることと調整方法を図にまとめました。
ピッチ補正、ピッチの平坦化と傾き、セグメントの結合・分割について簡単に説明します。
ピッチを補正
ピッチの補正について解説していきます。
先ほどのデータの冒頭を拡大してみると、セグメントが横軸の線と少しずれているのが分かります。
これはピッチがずれている状態です。
セグメントにカーソルを合わせると現れる中央下の正方形を上にドラッグすることで、補正することができます。
ピッチの平坦化
ピッチの上下を平坦にする場合は、中央上の正方形を下にドラッグします。
まっすぐになりました。
上部の三角形を左右にドラッグして、範囲を指定して平坦化することもできます。
ピッチカーブの傾き
ピッチカーブを傾けて音程の上げ下げを作ることもできます。
セグメント上部のひし形をドラッグして上下の基準点(下の画像の白線)を設定し、上部左右端の正方形を上下にドラッグして傾きを調整します。
赤線が元のピッチカーブです。
セグメントの結合・分割
セグメントが誤って検出されている場合は、カーソルを合わせると出てくる線の端あたり(カーソルがのりツールに変わります)をクリックすることで前後のセグメントと結合させることができます。
分割するときは中心あたりをクリックです(カーソルがハサミツールに変わります)。
スケールアシスタント
スケールアシスタント機能を使うと、オーディオデータのセグメントをもとにしてMIDIデータを抽出することができます。
MIDIトラックまたはインストゥルメントトラックを用意し、空白のイベントを作成します。
オーディオイベントをダブルクリックしてVariAudioのメニューを開き、スケールアシスタントの「MIDIリファレンスなし」をクリックします。
空のイベントを作ったトラックを選択します。
下の「機能を選択」で「MIDIデータの抽出」を選択します。
メニューウィンドウが出てくるので、OKをクリックします。
セグメントをもとにしてMIDIデータが抽出されました。
まとめ:可能性無限大のツールVariAudio
VariAudioの基本的な使い方について見てきました。
オーディオデータを分析、編集できるのは非常に便利で、音楽制作の幅を広げてくれるに違いありません。
上手に活用して、オーディオデータの魅力を引き出していきましょう!
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