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Synthesizer Vで初音ミクは使えない!ボカロとの違いを解説

- Synthesizer Vで初音ミクは使えないの?
結論から言うと、Synthesizer Vで初音ミクは使えません。
Synthesizer VとVOCALOID™(初音ミク)は使用している技術が違うので、使える声のデータは共通ではありません。

各歌声合成ソフトは、専用のボイスしか使えないのです。
しかし歌声合成ソフトはさまざまな種類があり、どのソフトでどのボイスが使えるのかとてもわかりにくいですよね。
本記事ではSynthesizer VとVOCALOIDの違いに注目し、Synthesizer Vで初音ミクが使えない理由について詳しく解説します。
- なぜSynthesizer Vで初音ミクは使えないのか
- Synthesizer Vとボカロの違い
- 初音ミクを使う方法
Synthesizer Vで初音ミクは使えない

Synthesizer Vで初音ミクは使えません。
その理由は現在発売されている初音ミクのボイスバンクはSynthesizer Vに対応していないからです。
歌声合成ソフトには種類があり、それぞれは互換性がない
合成音声が機械的な声で歌う曲は広く「ボカロ曲」と呼ばれていますが、歌詞とメロディーを入力してボーカルを作成するには「歌声合成ソフト」と呼ばれる特別なソフトが必要です。
- VOCALOID™6 Editor
- Synthesizer V
- CeVIO AI
- UTAU
歌声合成は単なる音声の切り貼りではなく、人間のような自然な歌声を目指していくつもの会社が最先端の技術を用いてソフトを開発しています。
「ボカロ」は歌声合成技術の1つ
歌声合成ソフトとして最も有名なのがヤマハのボーカロイドですが、「ボーカロイド」とはそもそもヤマハが開発した歌声合成技術とそれを利用したソフトを指す言葉です。

ヤマハはVOCALOID関連の技術の特許、「VOCALOID」「ボカロ」の商標を持っています。
初代ソフトが2004年に発売され、また2007年発売の「初音ミク」が人気になって以来「ボーカロイド/ボカロ」は合成音声が歌う歌やバーチャルシンガー、ジャンルなどを指す言葉として広く認知されました。
とはいえ本来はヤマハの技術とソフトのみに対して使われる言葉のはずで、キャラ名やジャンル名を指す一般的な名称が浸透しないまま「ボカロ」が有名になってしまったと私は考えています。

「(曲名やキャラ名)はボカロ」と言いたくなるのもすごく分かりますが、企業の権利の問題なので慎重になるべきですね。
歌声合成ソフトごとに別の音声データが必要
合成音声の歌声を作成するためには、歌声合成ソフトのほかに元となる声のデータが必要です。

いわゆる「中の人」の音声を録音したデータですね。
歌声合成ソフトは各社が異なる技術をもとに開発しているため、対応する声のデータも別の形式で作成する必要があります。
たとえばGUMIの最新版「AI Megpoid」はVOCALOIDとSynthesizer Vの両方で発売されていますが、それぞれの編集ソフトで使うには対応した音声データ(VOCALOIDでは「ボイスバンク」、Synthesizer Vでは「歌声データベース」)を用意する必要があります。

ややこしいですが、ゲーム機で例えるとNintendo Switchが歌声合成ソフト、Switchのゲームソフトが声のデータという関係です。
VOCALOID6 EditorでSynthesizer V用のデータが使えないのは、SwitchでPlayStation5のソフトが使えないのと似ています。

ここからはVOCALOID用の声のデータは「ボイスバンク」、Synthesizer V用の声のデータは「歌声データベース」と呼び分けます。
初音ミクのSynthesizer Vに対応したデータはない
初音ミクのボイスバンクは、VOCALOID2~4に対応したボイスバンクと「NT」があります。
その中で現在入手しやすいのはVOCALOIDである「V4X」と「NT」ですが、どちらもSynthesizer Vには対応していません。


V4XとNTの違いはこの後紹介します。
今後対応することもなさそう(予想)

私の予想です。
Synthesizer Vは近年非常に人気になっていますが、どんなにシェアが大きくなってもSynthesizer Vで初音ミクを使える日は来ないと私は思います。
いまや一大ジャンルとなった「ボカロ曲」ですが、初音ミクは「ボーカロイド」文化の発展の中心であり、初音ミク抜きにボカロは語れません。
その一方で「ボーカロイド」「ボカロ」はヤマハの技術やソフトを示す商標として登録されており、他社が商品名として使うことはできません。

NTは「ボカロじゃないミク」と呼ばれることもありますね。
「V6 AI」の発売も予定されていますが、初音ミクと「ボカロ」は切っても切り離せない関係にあり、「ボカロ」ではないSynthesizer Vの歌声データベースとして発売されることは考えにくいです。
Synthesizer VとVOCALOID™はどんなソフト?

Synthesizer VとVOCALOIDの最新版であるVOCALOID6の特徴を紹介します。
Synthesizer Vは歌声の圧倒的な自然さが特徴

Synthesizer VはDreamtonicsという会社が開発している歌声合成ソフトで、2020年に発売されました。
歌声の合成にAIを使用しており、驚くほど人間に近い自然なボーカルを作成できます。

操作・カスタマイズがしやすいなど機能面も個人的な推しポイントです。
使えるキャラとしては重音テトが有名ですが、新しいソフトなので対応歌声データベースがまだ少ないという面もあります。
とはいっても、日本における発売元はAHS(以前はVOCALOIDのボイスバンクを発売していた)で、以前VOCALOIDだったAHSのボイスバンクがSynthesizer Vの歌声データベースとしてリニューアル発売されることもあります。

バージョン2の発売も近く、今後も期待できそうです。
VOCALOID™はボイスバンクの多さが強み

VOCALOIDはヤマハが開発した歌声合成技術で、第1世代のソフトは2004年に発売されました。
アップデートで進化を続けており、最新は第6世代(VOCALOID6)です。
特徴は、歴史あるソフトゆえのボイスバンクの種類の多さです。

すべてのボイスバンクがすべてのバージョンで使えるわけではありませんが、現在もキャラクターは追加されています。
初音ミクが代表的ですが、GUMIやflowerなど、現在VOCALOID以外のソフトで出ているキャラクターも含め「ボカロ」文化をけん引したキャラクターが多く使えます。
最新バージョンのVOCALOID6も歌声合成にAIを使用しています。
Synthesizer V以外で初音ミクを使う方法

では、初音ミクを歌わせるにはどうしたらいいのでしょうか。
2025年2月現在では「初音ミク V4X」または「初音ミク NT」を「Piapro Studio」という編集ソフトで使うのが一般的です。

「初音ミク V6 AI」の発売も発表されていますが、当初の予定から延期になっているので今後が心配です。
「初音ミク V4X」をPiapro Studioで使う
「初音ミク V4X」はVOCALOID4の技術を使った初音ミクです。
V4Xには初音ミクの発売元(クリプトン)オリジナルの編集ソフトであるPiapro Studioが無料でついてきます。

通常版Piapro Studioは、VOCALOIDの技術を使っています。
今初音ミクを使って楽曲制作を始めるなら、価格や汎用性、使い方情報の多さの面でV4Xが最もおすすめです。

「初音ミク NT」をPiapro Studio for NTで使う
「初音ミク NT」は最新版の初音ミクですが、VOCALOIDの技術は使われず独自に開発されました。
NTには専用の編集ソフト(Piapro Studio for NT)があり、他のソフトでは使えません。
今後もアップデートがされていくようですが、今あえてNTを使う必要性はそこまで高くないです。

「初音ミク V4X」をVOCALOID™6 Editorで使う必要はない
「初音ミク V4X」はVOCALOID6 Editorでも使うことができます。
ただしV4XはバージョンとしてはVOCALOID4なので、VOCALOID6から搭載されたVOCALOID:AI機能は使えません。

VOCALOID:AIが目玉として開発されているVOCALOID6 Editorより、VOCALOID4の編集に特化したPiapro Studioの方が使いやすい…かもしれません。
また初音ミクのパッケージ製品には最初からPiapro Studioが付属しているので、わざわざVOCALOID6 Editorを買って使う必要はないです。
「初音ミク V6 AI」をVOCALOID™6 Editorで使えるかも
発売が予定されている「初音ミク V6 AI」は、おそらくVOCALOID6 Editorで動作し、AI調声が使えるようになるとみられます。
しかしAI対応が遅かった初音ミクにAI調声が使えるようになるということは、キャラクターイメージなどに大きな影響が出るかもしれません。
VOCALOID6の歌唱の自然さにも懸念があり「絶対にV6 AIを待った方がいい」とは言い切れないです。

延期発表で開発が順調じゃないことも分かってしまったので、いつ出るかわからないV6を待つよりV4Xで始めたほうがいいかもしれませんね。

Synthesizer Vのキャラと初音ミクを一緒に歌わせる方法
初音ミクとSynthesizer Vのキャラが一緒に歌っている曲も多いですが、これはDAW(DTMをするソフト)上で複数の歌声合成ソフトを立ち上げることで作れます。
Piapro StudioやVOCALOID6 Editor、Synthesizer V Studio Pro(Synthesizer Vの編集ソフト)は、DAWのプラグインとして動作させることができます。
片方で作った同じ歌詞を歌わせたい場合は、いったんプロジェクトやMIDI形式で保存してもう片方にインポートすることでコピーが可能です。

DAW上で立ち上げられないCeVIO AIも、別に音声を出力してDAWに取り込むことができます。
Synthesizer Vのキャラと歌わせたいからといって、初音ミクもSynthesizer Vで使う必要はありません。
初音ミクはSynthesizer Vで使えないし、使う必要はない-まとめ

初音ミクとSynthesizer Vについて解説してきました。
まとめます。
- Synthesizer Vで初音ミクは使えない
- もともと使われている技術が異なり、ボイスに互換性がないから
- Synthesizer Vのキャラと初音ミクのデュエット曲は、別ソフトで作った音声をDAW上で組み合わせて作る
Synthesizer Vで初音ミクが使えないのはどうしようもありません。

すでにSynthesizer Vを持っているなら、新しく初音ミクを買ってPiapro Studioで使うしかないです。
ですが初音ミクだけを使いたいなら、初音ミクを買えば編集ソフトもついてきてお得です。
わざわざSynthesizer Vを買う必要はなく、デュエットさせたいなら別々のソフトで動かせば可能です。
ぜひ作りたい曲・歌わせたいシンガーに合わせて、適したソフトを導入してみてください。
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