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最新ボカロ曲作曲に必要なパソコンのスペックは?おすすめ買い方紹介
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こんなお悩みありませんか?
- ボカロ曲を作るためにパソコンが欲しいけど、どれがいいのか分からない
- 自分の持ってるパソコンでは限界…
パソコンは高額なので、せっかく買うなら「スペックが足りない…」と後悔したくありませんよね。
DTMに超ハイスペックのパソコンは必要ありませんが、作曲ソフト(DAW)に加えて歌声合成ソフト(ボカロソフト)も動かすとなると話は変わってきます。
ストレスなくボカロ曲を作るためには、少なくともDAWや歌声合成ソフトの公式が発表している動作環境の1ランク上程度のスペックは用意するべきです。

具体的に言えば、CPUはIntel Core i7、メモリ16GB、ストレージ1TBくらいです。
本記事では、実際にボカロ曲制作をしている私がボカロ曲作曲のために最低限必要だと思うパソコンスペックと、おすすめのパソコンの買い方を紹介します。
この記事でわかること
- ボカロ曲作曲に必要なパソコンスペック
- 古いおすすめ記事の情報を信じてはいけない理由
- おすすめのパソコンの買い方
目次
DAW・ボカロソフトの最低スペックを満たすだけでは足りない!


ざっくり言うと、ボカロ曲制作にはDAWと歌声合成ソフトが必要です。
DAWや歌声合成ソフトには、それぞれ動作環境(最低スペック)が決まっています。
公式発表されているスペックは「推奨」ではなく「最低限」のスペックであり、また以下の2つの理由から満たしただけでは快適な操作が難しいです。
DAWとボカロソフトは両方同時に動かす
動作環境をクリアするだけでは快適な操作が難しいのは、DAWとボカロソフトは両方同時に動かすからです。

私の場合、ボカロの音声と伴奏は同時進行で調整していくことが多いです。
DAWのプラグインとして音声合成ソフトを立ち上げるので、常に重めのソフトが2つ同時に起動している状態になります。
今時の歌声合成ソフトはAIを使うので重い
「ボカロソフトはそんなに重いソフトじゃない」というような意見を見かけますが、間違いです。
めちゃめちゃ重いです。

「ボーカロイド」=初音ミクだと思っている方かもしれませんが…
初音ミクの音声合成に使う「Piapro Studio」はAIを使用していません。
しかし2025年現在使われている主要な音声合成ソフト(VOCALOID6 Editor、CeVIO AI、Synthesizer Vなど)はほとんどがAIを使用しています。
AIを使用するソフトは計算処理が多くとても重いので、「ボカロソフトは重くないからDAWの推奨スペックだけ気にすればいい」という意見はもう古いのです。
各ボカロソフトの最低スペック

2025年現在よく使われているボカロ・音声合成ソフトについて、動作環境を調べてみました。

「動作環境」なので以下の表が各ソフトを使う上で最低限用意すべきスペックになります。
スクロールできます
– | CPU | メモリ | ストレージ容量 | OS |
---|---|---|---|---|
Piapro Studio | Intel Core i5以上推奨 | 4GB(8GB以上推奨) | – | Win/Mac |
VOCALOID6 Editor | Intel Coreシリーズ/Xeon/Apple Silicon | 8GB以上 | 25GB以上 | Win/Mac |
CeVIO AI | Intel/AMD デュアルコアプロセッサー以上 | 4GB(8GB以上推奨) | 1GB以上 | Win |
Synthesizer V | Intel Core i5以上/AMD | 2GB以上 | 1GB以上 | Win/Mac/Linux |
「ストレージ容量」はあくまでソフトをインストールするための容量のことで、データが増えればさらに容量が必要なので注意です。
表のスペックを満たしていないと、処理がとても遅かったり最悪ソフトが動かせなかったりします。

特にCPUが推奨スペックに足りないと、歌声の再生がとぎれとぎれになってしまって制作が難しいです。
ボカロ曲作曲用パソコンのおすすめスペック

ボカロ曲作曲用のパソコンのおすすめのスペックは以下の通りです。

推奨スペックの1ランク上くらいは持っておくべき
①OS…Windowsの方が自由が利く・BTOで買える
ボカロ制作で使うパソコンのOSは、圧倒的にWindowsをおすすめします。Macはおすすめしません。
なぜならMacではCeVIO AIが使えないからです。

ボカロPあるある 「この子!」と決めて最初にボイスバンクと編集ソフトを買ってもどうせ増やしたくなる
CeVIO AIは人気のキャラが多く使えます。
中でも人気のある可不などの「音楽的同位体」シリーズは、CeVIO AIでしか使えません。
CeVIO AIを使わないにしても、後で紹介するBTOというお得な買い方ができるのはWindowsだけです。

「Logic Pro(Mac専用のDAW)やPro Tools(Mac推奨DAW)じゃないと嫌だ!」という人でない限りは、Windowsにしましょう。
②CPU…Intel Core i7がおすすめ
CPUはパソコンの心臓部であり、性能が高いほどパソコンがスムーズに動きます。
広く使われているCPUのメーカーとして「Intel」と「AMD」がありますが、ボカロ曲制作に使うパソコンならIntelであれば「Intel Core」シリーズが性能的に必須です。
Intel Coreシリーズ(第14世代まで)のCPUの型番である「Intel Core i〇」の〇は数字が大きくなると性能が上がります。

安価・コンパクトなノートパソコンには「Intel Pentium」や「Intel Celeron」などが入っていることがありますが、Coreより性能が低いシリーズです。

i5はPiapro StudioとSynthesizer Vの最低ラインになっていますね。
CPUのスペックを上げると電源やCPUクーラーなども高機能なものが必要になり費用がかさむので、お財布と相談です。

とはいえi7あれば安心
また製造された年が新しいほど性能は高いので、同じi7でも古い型だと性能が落ちます。
買うならなるべく新しいもの(「第○世代」の数字が大きいもの、最新は14)を推奨します。
Coreシリーズ最新機種「Intel Core Ultra」について
Intel Core iシリーズは第14世代で終了し、後継として「Intel Core Ultra」シリーズが発売されました。

世代はリセットです。
現時点でCore Ultraシリーズは「Ultra 5/7/9」が発売されていて、おおむねi5/7/9に対応しています。
Core Ultraシリーズの大きな特徴としてAI処理に特化した「NPU」という部品を搭載していることが挙げられ、Core Ultraシリーズを搭載したパソコンの多くは「AI PC」として販売されています。
しかしNPUを利用するためにはAIを使用するソフトウェア側がNPUに対応している必要があり、DAWやプラグイン、歌声合成ソフトで対応しているものは今のところほとんどありません。

NPU搭載パソコンを買っても、ソフト側の対応が進まなければただのオーバースペックになってしまいそうです。
長く使い続けるつもりでCore Ultraシリーズを購入するという考え方もありますが、個人的にはまだCore iシリーズの第13~14世代で様子を見てもいいのではないかと思います。

私のパソコンは第12世代のi7でまだまだ元気ですが、新しく買うなら第11世代より前のCoreシリーズは避けるのが無難でしょう。
③メモリ…16GB以上が望ましい
メモリは容量が大きいほど、一度に多くの処理をこなせます。
DAWがソフト音源やエフェクトプラグインなど同時にたくさんの処理を行う上に、さらに歌声合成ソフトを動かすので、メモリの容量が大切になってきます。
16GB以上はあるとよいでしょう。

私のパソコンは32GBですが、正直そこまではいらないかなという感じがします。
④内部ストレージ…1TBは欲しい
ストレージは、作ったデータやダウンロードしたソフトの置き場所になります。
外付けハードディスクで容量を追加することもできますが、プラグインのデータや音源などよく使うデータはできる限り内部のストレージにまとめておくのが望ましいです。

DAWのプロジェクト、バックアップ、オーディオデータ、投稿用の動画ファイル…ストレージはあればあるほど安心です。
内部SSDで1TBあれば安心です。
(番外)歌声合成にGPUが必要な時代が来る…かもしれない
GPUは画像・動画の処理の高速化に必要なパーツで、AIの処理に使われることもあります。
最近はNEUTRINOやVOICEVOXなど、AIの処理にGPUを使用する音声合成ソフトも出てきています。

無料のソフトでまだボイスバンクも少ないですが、GPUを使った方が動作は格段に速くなります。
今後ボカロPのパソコンにはGPUが必須な時代が来るかもしれないので、GPUは予算に余裕があれば用意しておくのがおすすめです。
「ゲーミングPC」と呼ばれるタイプのパソコンではGPUが重視されているので、選択肢に入れてもよいと思います。

自分でボカロPVを作る!という人も動画編集のためにGPUを入れておいた方がよいです。
ボカロ曲作曲用パソコンの買い方のおすすめはBTO

では、ここまで解説してきたような高スペックのパソコンはどのようにして買えばよいのでしょうか。
大手のパソコンメーカーが販売している高スペックパソコンは、高い・不要なソフトが入っているなどのデメリットがあります。

家電量販店に行っても音楽制作に詳しい店員はいないと思うので、無駄に高いものを買うことになる可能性が高いです。
ハイスペックのパソコンを安く無駄なく買う方法には2つあります。
自分でパーツを買って組み立てる自作と、好きなスペックのパーツをオーダーして販売店に組み立ててもらうBTO(Build to Order)です。
本記事ではBTOをおすすめします。

PCの組み立て、もうやりたくない
管理人のパソコンは自作ですが、自作PCの組み立ては非常に難しく時間がかかりました。
しかも故障や不具合のリスクが高く、起こった場合は自己責任となります。
自作の方が安く済む場合もありますが、よほどの知識がない限りはサポートのあるBTOを選ぶ方が安心です。

ていうか修理代で余計に高くつきました。
自作はおすすめできません。
「パーツを選んでカスタマイズできる」と言っても、多くのBTOパソコン販売店のサイトではある程度組みあがったパソコンが掲載されています。
先ほどのおすすめスペックと見比べ、気になるところをカスタマイズするのが基本の買い方です。
ボカロ作曲におすすめBTOパソコン4選

買うべきパソコンのスペックをおさらいします。
- OS…Windows
- CPU…Intel i7以上
- メモリ…16GB以上
- ストレージ…内部ストレージで1TB程度
これを満たすBTOパソコンが買える、おすすめのBTOパソコンショップとおすすめの機種を紹介します。
スクロールできます
– | DAIV FX-I7G60 | mouse MH-I7U01 | MD36147 | SR-ii7-7160N/S9/W11 |
---|---|---|---|---|
公式サイトで見る→ | ||||
販売ショップ | MDL.make![]() | |||
税込価格 | 264,800円~ | 169,800円~ | 169,800円~ | 184,580円~ |
CPU | Intel Core i7-14700F | Intel Core i7-14700 | Intel Core i7-14700KF | Intel Core i7-14700 |
メモリ | 16GB | 16GB | 16GB | 16GB |
ストレージ | 1TB | 500GB | 500GB | 1TB |
GPU | GeForce RTX 4060 | CPU内蔵 | GeForce RTX 3060 | CPU内蔵 |
CPUクーラー | ファン・ヒートパイプ | ファン | ファン | 水冷 |
ケースタイプ | フルタワー(大) | ミニタワー(やや小) | ミニタワー(やや小) | ミドルタワー(中) |
保証 | 3年間 | 3年間 | 1年間 | 1年間 |
カスタマーサポート | 電話(24時間365日対応) | 電話(24時間365日対応) | 電話・LINE(365日対応) | メール |
こんな人におすすめ | 性能で妥協したくない人 | 必要な性能のみを安心して使いたい人 | 価格を抑えつつ、動画編集やゲームにも使いたい人 | 静音性を重視しDTMに集中したい人 |
紹介を見る→ | DAIV FX-I7G60 | mouse MH-I7U01 | MD36147 | SR-ii7-7160N/S9/W11 |
公式サイトで見る→ |
マウスコンピューター
マウスコンピューターは、サポート体制の手厚さが魅力のBTOパソコンメーカーです。
3年間の無償修理、24時間365日受付のサポートのほか、注文した品を設置し、インターネット設定などをしてくれるサービスなどもオプションで付けられます。

パソコンは重くて運ぶのが不安、という方も安心ですね。
公式サイトでは気になるパソコンを比較リストに登録することで、一目でスペックを見比べることができ便利です。
DAIV FX-I7G60
おすすめの機種はDAIV FX-I7G60です。
必要なスペックを備えた上に静音性も考えられた製品です。

これ選んどけば間違いない
i7(第14世代)なので本格的な使用にも耐える
mouse MH-I7U01
コストを抑えたい人にはmouse MH-I7U01もおすすめできます。
DAIV FX-I7G60はクリエイターモデル(画像・動画編集向け)なので独立GPUを搭載していますが、mouse MH-I7U01は一般向けモデルで独立GPUを搭載していない分安くなります。
動画編集やゲームはしないがDTMでのパフォーマンスを重視したいという人にはGPUは不要なので、コスパのよい選択肢です。
MDL.make
MDL.makeはゲーミングパソコン専門のパソコンショップです。
自作曲のMVを自分で作りたい、ボカロ作曲の他にゲームも楽しみたいという方にはゲーミングパソコンがおすすめです。

いかにもゲーミングパソコン!な見た目のパソコンも選べます。
MD36147
おすすめの機種はMD36147です。
GPUを搭載していますが価格が安いので、出費は抑えつつ動画編集やゲームにも使いたい人におすすめです。
搭載のCPU「Intel Core i7 14700KF」の「KF」は「K」がオーバークロック対応、「F」が内蔵GPU非搭載を表しています。
オーバークロックとは
オーバークロックとはCPUを製造元が定めた定格周波数よりも高い周波数で動作させることです。
コンピューターの処理速度を向上させることができ性能は上がりますが、寿命が短くなるなどのデメリットがあります。
内蔵GPUとは
内蔵GPUはCPUの中に組み込まれているGPUのことで、CPUと別に取り付けるGPUのことは独立GPUと呼びます。
内蔵GPU非搭載のほうが価格を抑えられるので、GPUを重視するなら内蔵GPU非搭載のCPU(Intel Coreの「F」)を選んだ方がコストパフォーマンスが高いです。
性能とコストの両方をとれるパソコンです。
パソコンショップSEVEN
パソコンショップSEVENは、豊富なパーツの品ぞろえを誇るBTOパソコン専門店です。
1つ1つのパーツを細かくカスタマイズできるので、パーツにこだわりたい方におすすめです。
公式サイトでは、スペックから細かく検索することができます。
SR-ii7-7160N/S9/W11
SR-ii7-7160N/S9/W11は、水冷クーラーを搭載したパソコンです。
通常のパソコンはファンを使ってCPUなどから出る熱を冷ますので騒音が発生しますが、水冷式はパソコンの中に入っている水を使って冷やすので動作音が静かです。
適切な排熱は大前提ですが、作曲のような音の聞き取りが重要な作業では騒音を抑えることも重要です。

静かな環境で集中して作業したい人におすすめです。
よくある質問

ボカロ曲作曲用のパソコンに関するよくある質問をまとめました。
ボカロ曲作曲にはそこそこスペックのパソコンが必要!-まとめ

ボカロ曲作曲に必要なパソコンのスペックと、買い方について見てきました。
必要なスペックをもう一度おさらいします。
- OS…Windows
- CPU…Intel i7以上
- メモリ…16GB以上
- ストレージ…内部ストレージで1TB程度

これくらいあれば安心です。
ボカロ曲を作るためには、DAWのみでDTMをするよりもさらにスペックが必要です。
作業に適したパソコンを用意し、曲作りに集中できる環境を整えましょう!