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【実機レビュー】OneOdio Monitor60徹底解説!プロ仕様のモニターヘッドホン
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こんなお悩みありませんか
- OneOdio Monitor60の使用感を知りたい
- OneOdioのどれを買えばいいのかわからない
Amazonのモニターヘッドホンのおすすめによく出てくるOneOdioのヘッドホンですが、価格面で魅力的な一方、似た商品が多くどの機種を選べばいいか迷ってしまいますよね。

全部にモニターヘッドホンって書いてある…?
本記事では、OneOdioの密閉型ヘッドホンの中での最上位機種「OneOdio Monitor60」を実際に使い、低価格帯のPro10との比較を交えて特徴を紹介します。
この記事でわかること
- OneOdio Monitor60の仕様・スペック
- OneOdio Monitor60の実物写真・試聴レビュー
- OneOdio Pro10との比較

目次
OneOdio Monitor60はどんなヘッドホン?

OneOdioは「Amazonによくいる謎の中華系オーディオメーカー」ととらえられることもありますが、日本でも一定の評価を得ているようです。

私もいつの間にか買ってました。
OneOdioの中でも高価格帯に位置付けられる「Monitor60」の特徴を紹介します。
OneOdio Monitor60の仕様・スペック
OneOdio Monitor60は、OneOdioヘッドホンの中でも音楽制作に特化したMonitorシリーズの製品の1つです。

Monitorシリーズには本記事で紹介するMonitor60の他に、開放型ヘッドホンのMonitor80があります。
基本仕様・スペックを表にまとめました。
形式 | 密閉型 |
---|---|
入力端子 | ステレオミニプラグ(φ3.5mm)、標準プラグ(φ6.3mm) |
ドライバーサイズ | 50mm |
インピーダンス | 38Ω |
周波数範囲 | 20Hz~40kHz |
高耐入力 | 1,600mW |
ハイレゾ対応 | 対応 |
ヘッドバンド調整 | 対応 |
イヤーパッド | PUレザー |
折り畳み | 対応 |
片耳モニタリング | 対応 |
デュアルポート構造 | 対応 |
付属するコード | 着脱OFCリッツ線1.5mカールコード(伸長時約3m) 着脱マイク付き1.2mストレートコード 着脱3mストレートコード |
ポーチ | 袋 |
マイク | ケーブルに内蔵 |
重さ | 335g(コード除、筆者計測) |
Monitor60が受賞!「VGP2024」とは
OneOdio Monitor60は「VGP2024」の「密閉型オーバーヘッド型ヘッドホン(1万円未満)」の部で受賞しています。
VGP(Visual Grand Prix)は日本のオーディオ専門誌が主催する、オーディオ・ビジュアル機器の性能や市場での評価をもとに優れた製品を選ぶ賞で、部門ごとに「金賞(該当なしもある)」と「受賞」が何製品か選出されます。
VGPは日本のオーディオファンの中では知名度のある賞ですが、日本国内での評価であり国際的な賞ではないこと、「金賞」ではなく「受賞」であること、VGPは審査部門が非常に多く、すべてのヘッドホンの中で高評価を得たわけではないことに注意が必要です。

「密閉型オーバーヘッド型ヘッドホン」は価格帯ごとに10部門に分かれていますね…
とはいえOneOdioが受賞したことは、日本の家電市場でOneOdioが受け入れられていることや、一定の品質が評価されていることを示しています。
また、最も低価格である「1万円未満」の部で受賞していることから、「価格と品質のバランスが取れた、コスパのいい製品」と認められたと考えることができます。
OneOdio Monitor60は本当にモニターヘッドホン?
OneOdio Monitor60は他メーカーのプロ向けモニターヘッドホン相場と比べると半額以下の価格で手に入りますが、数値的なスペックだけで見れば「モニターヘッドホン」と呼んでそこまで見劣りする製品ではありません。

ドライバーサイズや周波数特性を見ても、プロ向けで人気の他メーカーの機種より優れている数値もあります。
とはいえモニターヘッドホンとして重要なポイントは数値だけではありません。
- 長時間作業に耐える装着感
- 音質(フラットな音づくりや高い解像度)
この後実際に使ってレビューします。

OneOdio Monitor60の装着感を写真付きでレビュー!

モニターヘッドホンは、長時間の音楽制作作業に耐える装着時の快適さが重要です。
写真付きでレビューします。
厚みがあり快適さと遮音性を叶えるイヤーパッド
Monitor60のイヤーパッドはクッション性のあるPUレザー素材になっています。

厚みはなんと3cm。

耳の周りをすっぽりと覆われるような感覚です。

Amazonに「優れた遮音性」との記載がありますが、カナル型ヘッドホンレベルではないものの、かなり周囲の音を防いでくれます。
ただしその分、夏場は蒸れる予感がします。

室温25℃の部屋だと、数分つけただけで耳の周りが暑く感じます…
ヘッドホンカバーなどの対策をするとより快適に使えそうです。


ヘッドバンドは調整可能
ヘッドバンドはサイズやつけ方のスタイルに合わせて調整可能です。


Pro10と比べてアジャスター部分はなめらかかつ重みがあります。
お値段の違い。
私はレディースの帽子が小さくてかぶれないことがあるくらい、女性の中では頭が大きい方です。
私がつけて最大まで伸ばした状態なら余裕があるかなという感じなので、締め付け感が少ない方が好みの人よりは、しっかり固定してほしい人向けのように感じました。

あくまでモニターヘッドホン用途に作られているので、装着して前から見た時のサイズ感はかなりデカく、音楽を聴きながらお散歩…という感じではなさそうです。
Pro10とMonitor60の使用感を比較
エントリーモデルのPro10とMonitor60を、使用感の部分で比較します。

Pro10は4年前に買ったものでボロボロです…ごめんなさい…
大きな違いはイヤーパッドの厚みと接合部のつくりです。
Pro10は厚みが2cmで圧迫感が少なく、一方Monitor60は厚みが3cmでしっかり耳を覆ってくれます。
またPro10を使っているとヘッドバンドのアジャスターやイヤーカップの可動部がキシキシ鳴るのが気になっていましたが、Monitor60は丈夫なつくりになっているので音がしにくいです。

上の写真で見ても、Pro10は可動部に安定性があまりなく、Monitor60は置いても重力に負けない程度の安定感があるのがわかります。
一方Monitor60で気になるのは重さです。
私の自宅計測では、Pro10は238g、Monitor60は335gありました。


約100gの違いですが、実際につけるとMonitor60の方が重く感じます。

とはいえ重くて疲れるというほどではなく、キシキシ音がしなくて付け心地に安定感があります!
使用感については、Pro10とMonitor60では値段に応じた差があることがわかりました。

OneOdio Monitor60の機能・付属品をチェック

OneOdio Monitor60のハード面の機能と付属品を紹介します。
デュアルポート構造で様々な接続に対応

OneOdio Monitor60はケーブルが着脱式で、デュアルポート構造(ステレオミニプラグ(φ3.5mm)、標準プラグ(φ6.3mm)の2つの端子から入力を受け付ける)を採用しています。
OneOdioの有線ヘッドホンに共通の便利機能も搭載しています。
デイジーチェーン接続 | 複数のヘッドホンを連結して同じ音源を共有できる 複数人で音楽や映像を鑑賞するとき・音楽制作をするときに便利 (説明書などでは「シェアポート機能」と記載) |
---|---|
2音源同時再生 | 左右のポートに別々の音源を接続すると、2つの音源を同時に聴ける 元音源を聞きながらの耳コピや、伴奏を聞きながらの楽器練習に便利 |

ないと困るわけではありませんが、活用できるとちょっと楽しい機能です。
3.5mmケーブルポートは抜け落ちにくい構造
ステレオミニプラグ(φ3.5mm)の方は、ケーブルの抜け落ちを防ぐ独自の構造が採用されています。

端子の外側にストッパーになる突起がついていて、付属でついてくるケーブルのみが対応するようです(両方3.5mmのケーブルは片側のみ)。



ちなみにOneOdio Pro10のケーブルは対応していません。
付属のケーブルを使うなら安定感ある接続ができて便利ですが、それ以外のケーブルは差込口が深いところにある分少し挿しにくいです。

付属ケーブルは充実の3本
OneOdio Monitor60には、以下の3本のケーブルが付属しています。

- 6.35mm-3.5mmコイルケーブル(1.5m、伸ばすと3m)
- 3.5mm-3.5mmマイク付きストレートケーブル(1.2m)
- 3.5mm-3.5mmストレートケーブル(3m)

だいたいの接続はできそうですね。
キャリングポーチ(巾着袋)
Amazonなどでは「キャリングポーチ付属」と記載があり、イヤーパッド表面と同じ素材の巾着タイプの袋がついています。


ポーチ…これがポーチかあ…
折りたたんだ本体とケーブルが収納できるので、保管や持ち運びに便利です。


OneOdio Monitor60の音質をガチレビュー

OneOdio Monitor60の音質を調べるため、以下の環境でいろいろな曲を聞き比べてみました。
- 3つのヘッドホンで順番に聞き比べる
- OneOdio Monitor60
- OneOdio Pro10(下位機種)
- audio-technica ATH-AVA300(リスニング用の開放型ヘッドホン)
- PCにオーディオインターフェース(YAMAHA AG03)経由で接続
- Apple Music(ストリーミングサービスの中でも音質が高い)を使用
「Monitor60はモニターヘッドホンとしての用途に適しているかどうか」を調べるため、私が普段リスニング用のイヤホンで聞いている曲の中からできるだけいろいろなジャンルを選んで聞き比べています。

オーディオ関連は勉強中で主観的な感想ばかりですが、初心者でもわかる違いがあるということでご勘弁ください。
Second Heaven 2k15(ハードコアテクノ系)
電子音系の曲での違いを聞くため、Second Heaven 2k15(Ryu☆)を聞きました。
Monitor60 | 定位感(音が鳴っている位置の明確さ)がエグすぎる それぞれの音が聞き取りやすい |
---|---|
Pro10 | 定位感はあるが「エグい」ほどではない 高音(シャリ感)が目立つ、音を分割して認識するのは難しく感じた |
ATH-AVA300 | あからさまなドンシャリ 反響の感じが良く、聞き心地はよい |
Years of Solitude(ジャズ系)
生楽器の演奏を聞き比べるため、Years of Solitude(ジェリー・マリガン&アストル・ピアソラ)を聞きました。
Monitor60 | 圧倒的な定位 まるで演奏中のスタジオの中で聞いている気分 |
---|---|
Pro10 | バリトンサックスの音はMonitor60より聞き慣れた感じがする Monitor60ほどの臨場感はないが、リスニング用より音がばらけて聞こえて中途半端なサウンド |
ATH-AVA300 | ハイハットなどの高音がきれいに聞こえる 曲として自然で、聞いていて疲れない |
DADA(ロック系)
リスニング用イヤホンでたくさん聞いた曲と比べることでモニターヘッドホンの音の違いを確認するため、DADA(RADWIMPS)を聞きました。
Monitor60 | リスニング用イヤホンで聞いた記憶上のサウンドとはだいぶ齟齬があるが、今まで気づかなかったボーカルにかかっているエフェクトが聞きとれた |
---|---|
Pro10 | コレジャナイ |
ATH-AVA300 | 親の声より聞いた 低音に厚みがあり、盛り上がる |
Mortal With You(女性ボーカル、クラシック系×電子音楽)
女性ボーカルの解像度を確認するため、Mortal With You(Mili)を聞きました。
Monitor60 | 今まで意識していなかったストリングスがしっかり聞こえた コーラスの定位感がエグい ボーカルの繊細な質感が聞き取れる |
---|---|
Pro10 | いつもよりはオケ系の音がクリアに聞こえる |
ATH-AVA300 | 音の広がりがあって聞きやすい |
総評:Monitor60はモニターヘッドホンとして使えそう
検証の結果、OneOdio Monitor60はモニターヘッドホンとして使えそうだと判断しました。

ただし、あくまで「一般的なリスニング用ヘッドホンと比較して」です。
私自身がリスニング用イヤホンで聞き慣れている曲を選んで比較したことで、リスニング用ではなくモニター用で求められる特徴(音の定位感やディテール、1音1音の聞き取りやすさなど)をMonitor60が持っていることを確認できました。
モニター用(音楽制作用)とリスニング用(普段の音楽鑑賞など)はそもそも用途が違うので「モニターヘッドホンだから音質が良い」ではありませんが、Monitor60はモニター用の傾向があるヘッドホンと言えそうです。

ジャンルにもよりますが、リスニング用で聞いた方が快適・楽しい・楽だと感じました。
モニター用は意識せずとも音の分析を要求される感じがします(それも楽しいは楽しいですが)。
またモニターヘッドホンの特徴を持つMonitor60と、リスニング用ヘッドホンの特徴を持つATH-AVA300と比較したことで、Pro10は「モニターヘッドホン的な傾向はあるが、なんとなく中途半端」と感じてしまいました。
Pro10の手ごろな価格は非常に魅力的ですが、やはりモニターヘッドホンとしての性能はMonitor60が上だと思います。

OneOdio Monitor60はこんな人におすすめ

OneOdio Monitor60は以下のような人におすすめです。
- 音楽制作に適したモニターヘッドホンがほしいが、予算がそこまでない人
- 予算はあまりないけど、OneOdioの低価格帯(Pro10など)はちょっと不安な人
- 有線ヘッドホンでノイズ対策をしたい人
- FPSなどの定位感が求められるゲームをする人
OneOdio Monitor60は一般的なプロ向けモニターヘッドホンよりは安価ながら、モニターヘッドホンに必要な要素(快適な装着感や音の解像度・定位感など)を持っているヘッドホンです。
またOneOdioの低価格帯であるPro10と比べた結果、より音楽制作に適したヘッドホンとして作られていることがわかりました。
ノイズキャンセリングほどでなくても、有線ヘッドホンでノイズを軽減したい人にもおすすめできます。

定位感はゲームにも役立ちます!
FPSやTPSなど、周囲の状況を音で把握する必要のあるゲームでは、定位がよく音の位置がはっきりわかるモニターヘッドホンが役立ちます。
一方で「日常で音楽鑑賞を気軽に楽しみたい」という人には、密着感が強く大きめなサイズ・ジャンルによっては聞いていて疲れることもあるチューニングなどあまりおすすめできない点もあります。

モニター用に特化しているからこそ使いづらい場面もありますが、なるべく安いモニターヘッドホンがほしい人にはおすすめです!

OneOdio Monitor60は高コスパのモニターヘッドホン!-まとめ

OneOdio Monitor60は装着感や音質などの面で音楽制作に適したヘッドホンとして開発されており、一般的なモニターヘッドホンよりは安価ながらも、かなり良いコストパフォーマンスを発揮してくれます。

Pro10を数年使っていて「何が違うんだろう」と思っていましたが、お値段で違うことが使ってみてよく分かりました…

もちろんPro10もお試ししやすい価格で魅力的ですが、品質が気になる場合はMonitor60を選べば十分カバーできるのではないかと思います。
Monitor60はモニターヘッドホンがほしいけど、プロ仕様となるとちょっと手が出ない…という方にぜひ試していただきたいヘッドホンです。
Amazonをはじめとした通販サイトで購入できるので、ぜひチェックしてみてください!
