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TOPPING E1x2 OTG実機レビュー|E2x2と比較!シンプル端子のオーディオインターフェース
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- TOPPING E1x2 OTGはE2x2 OTGと何が違う?
- E2x2が気になっているけど、配線が難しそう…
以前当サイトでもレビューしたオーディオインターフェース「TOPPING E2x2 OTG」に続き、「TOPPING E1x2 OTG」の日本での販売が始まりました。

E2x2は「ハイスペックだけどスマホ接続にも対応」と話題になりましたが、E1x2は機能はそのままで端子が少ないモデルです。
TOPPING E1x2 OTGはE2x2と比べて入力端子が1つ減り接続に制限が出ますが、「入力は1つしか使わない」「スマホ配信で使う」という人にはむしろ接続がシンプルになるメリットがあり、用途に合うならかなりおすすめできます。
本記事ではTOPPING E1x2 OTGを実際に使い、E2x2と何が違うかを中心に解説します。
- オーディオインターフェース「TOPPING E1x2 OTG」と「E2x2 OTG」の違い
- スマホ配信勢にはE1x2の方ががおすすめかも


【30秒でわかる】E1x2 OTGとE2x2 OTG、あなたはどっち?



オーディオインターフェース、何に使いたいですか?
【E1x2 OTGを選ぶべき人】=入力端子が1つでいい人
- 歌ってみた・カラオケ配信(マイクは歌用1本のみ)したい
- ゲーム実況・雑談配信(マイクは1本のみ)したい
- スマホ配信で高音質にしたい
- 初めてオーディオインターフェースを買う
- 予算は抑えたい
- 接続や設定が難しいのは不安
【E2x2 OTGを選ぶべき人】=入力端子が2つほしい人
- 弾き語り(マイク+ギター)したい
- ステレオ録音(キーボード等)が必要
- マイク2本でステレオ・対談・コラボ配信したい
- 本格的なDTMを始めたい
- 買い替えるくらいなら先行投資したい
E1x2 OTGは、E2x2 OTGから接続端子が減って安くなったいわゆる「エントリーモデル」のオーディオインターフェースです。
とはいえスマホ対応・高音質・ファンタム電源対応・ループバックなどの機能はそのままなので、「マイク1本」など入力端子が1つで十分な人には非常におすすめです。



むしろ端子が少ないので、接続・設定が簡単になるというメリットもあります!
「スマホ配信で片側からしか音が出ない」問題も解決できます。


一方、将来的に「弾き語り」や「マイク2本」など入力を2つ使う可能性がある人は、E2x2 OTGがおすすめです。
高度な制作に耐えるスペックなので、長く使う中で入力端子を2つ使う可能性があるならE2x2 OTGを検討してもよいでしょう。
↓E2x2 OTGのレビュー記事はこちら


TOPPING E1x2 OTGの仕様をチェック


TOPPING E1x2 OTGの内容品や入出力端子などを紹介します。
E1x2 OTGの内容品をチェック
TOPPING E1x2 OTGの内容品は以下の通りです。


- オーディオインターフェース本体
- Type A to Type Cケーブル(パソコン接続、カメラアダプタ経由のiPhone接続などに使用)
- Type C to Type Cケーブル(Type C端子搭載のスマホ接続に使用)
- 6.35 mm to 3.5 mm アダプタ(ヘッドホン端子の変換に使用)



本体以外の付属品はE2x2と同じですね。
個人的にはTOPPINGの丈夫だけどしなやかで扱いやすく、クセがつかないケーブルが超お気に入りです。
接続方法によっては他のケーブル・アダプタが必要なこともあります。
- XLR接続のマイクをつなぐ → XLRケーブルが必要
- エレキギターをつなぐ → シールドケーブルが必要
- Lightning端子のiPhone(iPhone14以前・SE)→ カメラアダプタが必要
接続方法についてはE2x2 OTGのレビュー記事で詳しく解説しています。


E1x2 OTGの入出力端子・スイッチ・ノブをチェック
E1x2 OTGの入出力端子・スイッチ・ノブのはたらきを図にまとめました。



赤が入力、紫が出力、オレンジがPC/スマホ接続です。配線はこの3つの接続が基本になります。




背面の3つのUSB-C端子は、使用する機器(PC・スマホ・スマホとPC・スマホ2台)によって接続方法が異なります。
使い方が同じE2x2 OTGのレビュー記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
E1x2 OTGのカラー展開をチェック


TOPPING E1x2 OTGはブラックとホワイトの2色展開です。
どちらもマットな質感の金属製でおしゃれですが、ブラックは少し指紋が目立ちやすいかもしれません。



E1x2はコンパクトで置きっぱなしでもそこまで場所を取らないので、机や周辺機器に合わせて色を選んでもいいですね。


E2x2と何が違う?TOPPING E1x2 OTGの変更点を比較


TOPPING E2x2 OTG(2025年4月発売、写真白)とE1x2 OTG(2025年7月発売、写真黒)を比較し、何が違うのかを解説します。
比較①接続端子の違い…端子が減ってシンプルに
E2x2とE1x2の最大の違いは接続端子の数です。違いを表にまとめました。
接続端子 | 写真 | E2x2 OTG | E1x2 OTG |
---|---|---|---|
XLR/TRSコンボジャック (マイク・楽器接続用) | ![]() ![]() | 2個 マイク2本・マイクとギターなどの同時接続が可能 | 1個 |
AUX OUT (3.5mmステレオ) | ![]() ![]() | あり 外部録音機器や別のミキサーなど、サブ機器を接続可能 | なし |
OPTICAL OUT (S/PDIF 光) | ![]() ![]() | あり 対応するDACに接続可能 | なし |
AUX OUT・OPTICAL OUTは接続できる機器を増やして複雑なレコーディング環境にも対応するための端子で、使う場面は限られます。



そのため、最初の1台として買いたい人が最も注目すべきはXLR/TRSコンボジャック(入力端子)の数です。
XLR/TRSコンボジャックが2つついているE2x2では以下のような接続が可能です。
- マイク2本で アコギと歌/2人で対談/ドラムのステレオ録音
- マイク+エレキギター
- フォーン端子×2で電子ピアノ・キーボードなどのステレオ対応
XLR/TRSコンボジャックが1つのE1x2では上記の接続はできません。チャレンジする可能性がある人はE2x2がおすすめです。
一方E1x2は端子が少ない分接続に迷わないというメリットもあります。どんな録音・配信をしたいかで決めるとよさそうです。



拡張性を残すならE2x2、接続のシンプルさを優先するならE1x2ですね。
比較②サイズの違い…横幅がサイズダウン
E1x2は、端子が減った分E2x2よりもコンパクトなサイズになっています。



開封した時、思ったより小さくてびっくりしました。








高さ・奥行きは同じサイズですが、横幅が約4.6cmサイズダウンしています。



E2x2は「よくある音楽制作用オーディオインターフェース」という感じのサイズなので、E1x2はコンパクトな部類に入ると思います。
また重さはE2x2が538g、E1x2は411g(いずれも手元計測)で100g以上軽くなり、手で持って比べても分かるほど軽量化しています。
比較③スペックの違い…E1x2は逆に高音質?
E2x2とE1x2のスペック(音質面での性能)はほぼ同じですが、1点だけ異なるのがADCのダイナミックレンジです。
ADCのダイナミックレンジとは録音できる最小音~最大音の幅を指す数値で、数値が大きいほど繊細な音からダイナミックな音まで正確に録音可能、かつ機材から発生するノイズがより小さいことを示します。



むしろE1x2のほうが、性能が向上していますね。
この違いの理由は定かではありませんが、端子が減って内部構造がシンプルになったおかげで機材由来のノイズが減った可能性があります。
E2x2よりもE1x2の方が、静かな環境でのより高音質な録音が可能になっています。



ちなみに私調べですが、E1x2の価格で118dBはいい意味でヤバいスペックみたいですね…
比較④機能の違い…全く同じ高機能
以下の機能はそのままE1x2に引き継がれており、「多機能なのに高音質」なのはE2x2と同じです。
- スマホOTG接続(スマホ配信用として使える)
- スマホとPC・スマホ2台の同時接続(メインスマホで配信、サブのPCやスマホでBGMや音効果を制御)
- ミキサー/ループバック(DAWなどの音を配信にのせられる)
- 48Vファンタム電源(コンデンサマイクが使える)
- 高インピーダンスヘッドホン用ゲイン(プロ向けモニターヘッドホンが使える)
- ゼロレイテンシーモニタリング(録音中の音を遅延なしで確認)
- 専用ソフト「TOPPING Professional Control Center」でのルーティング設定(パソコン配信で活躍)



「スマホ対応」はどうしても初心者向け機能と位置付けられることが多く、音質スペックが高いオーディオインターフェースでは重視されない傾向があります。
TOPPING E1x2 OTGは高音質だけど便利な機能も多数搭載した、珍しいオーディオインターフェースなのです。


スマホ配信の「片側問題」が解決!E1x2で試してみた


TOPPING E2x2 OTGでマイクを1本だけつないでスマホ配信アプリを使うと、マイクの音が片側からしか聞こえない場合があります。



勝手に「片側問題」と呼んでます。
しかしE1x2では、端子の数の性質上「片側問題」が解決する可能性が高いです。実際の環境で試してみました。
なぜE2x2では「片側問題」が発生する?
E2x2でスマホ配信した時にマイク音声が片側からしか聞こえないのは、1本だけマイクをつないでも2つの端子で1セットの「ステレオ入力」とスマホ配信アプリに認識されるからだと考えられます。


パソコンでは片側だけにマイクを挿して「モノラル入力」として扱うことができますが、スマホ配信アプリでは「ステレオの片側分」としか認識できず、設定変更もできない場合があります。



スマホ配信アプリはそもそもスマホ内蔵のマイクを前提に作られているはずなので、「左右2つに分かれた外部のステレオ入力」みたいなややこしい信号を正しく受け取れないようです。
E1x2で「片側問題」が解決するか検証


スマホをホストにしてE1x2にコンデンサマイクを接続し、スマホ配信アプリ(ツイキャス)で録音・ヘッドホンで確認したところ、マイクで話した声は正常に真ん中から聞こえました。



片側問題、解決!
E1x2はマイク入力が1つしかないため、スマホ側が「モノラル音声」としてマイク音声を受け取ることができ、真ん中から声が聞こえる違和感のない配信が可能になります。
アプリのBGMモニタリングをオンにすればE1x2に接続したヘッドホンからBGMを聞けるので、INPUT/PLAYBACKのノブで音量バランスを調整しながら配信することもできます。
「スマホ配信でマイク1本しか使わないけど、音質にはこだわりたい」という人にとって、E1x2 OTGは最適解になるかもしれません。



ただし左右の音量バランスは作れないので、立体感を重視したい場合はE2x2でマイクを2つ用意する必要があります。
- スマホ接続+電源供給が必要
- iPhone 14以前・SEはカメラアダプタが必要
- E1x2をモバイルモードに設定(OTGライト点灯)
モバイルモード設定方法や接続の配線例はE2x2の記事で紹介しています。


TOPPING E1x2OTGはこんな人におすすめ


E2x2との比較を踏まえ、TOPPING E1x2 OTGがどんな人におすすめかをまとめます。
スマホ配信・マイク1本で音質にこだわりたい人
マイクの音質にこだわる場合コンデンサマイクが選択肢に入りますが、コンデンサマイクは電源供給が必須なため、スマホで使う場合はスマホ対応のオーディオインターフェースが必要です。
マイクを1本しか使わない場合に限りますが、E2x2よりもE1x2の方がスマホ配信向けの接続が格段に簡単になります。



E2x2で「片側問題」が解決できなかったのが気になっていたので、E1x2の一番のおすすめポイントです!
「音質重視で、コンデンサマイクを1本だけスマホにつなぎたい」という人には最もおすすめできるオーディオインターフェースです。
シンプルな機材構成を好む人
E1x2はプロ向けと言って差支えない音質スペックですが、実は「高音質で1入力のオーディオインターフェース」はかなり珍しいです。



似たスペックのオーディオインターフェースでは2入力のものがほとんどみたいです。
でも「入力は要るけど1つしか使わない」って人もいますよね。私もそうです。
オーディオインターフェースを高音質なものにして音楽制作のレベルを上げたいけど、入力端子は1つでいい・使用頻度はそこまで高くないという人にとっても魅力的な選択肢になりそうです。
予算を抑えて高音質にチャレンジしたい人
E2x2は価格と音質・機能を比べるとコスパが高い製品ですが、それでもオーディオインターフェースを初めて買う人にとっては手の届きにくい値段だったのではないでしょうか。
確かにE1x2も他の低価格帯のエントリーモデルより高価ではありますが、価格以上の高音質・高機能を実現します。
「『高音質』には惹かれるけど、価格は抑えたい」という人は、入力端子の制限さえ気にならなければ検討に値する製品だと思います。


TOPPING E1x2 OTGはシンプル端子でも驚きの高機能|まとめ


入力端子を1つに絞りプライスダウンを実現したオーディオインターフェース「TOPPING E1x2 OTG」を、先に発売されたE2x2 OTGとの比較を中心に紹介してきました。
【TOPPING E1x2 OTGのここがすごい!】
- E2x2の高音質・高機能はそのままに、接続端子を減らして価格ダウン
- 接続がシンプルになったことで、よりスマホ配信に最適に
- 制作・配信スタイルによって端子の少なさはネックになるが、その分同価格帯では驚異的な音質・機能に



前回のE2x2のレビューの時から「スマホ配信で片側からしか聞こえないのは解決できないのかな…」とずっと考えていたのですが、答えが出ました。「E1x2を使えばいい」です。
接続方法がE2x2よりも限られるため自分の用途に合うかよく検討する必要がありますが、たとえば「歌ってみたでマイクは1本しか使わない」「エレキギター録音用に1入力あれば十分」など入力端子が1つでいい人にとっては、E1x2は有力な選択肢になるはずです。
手に取りやすくなったTOPPING E1x2 OTGで、高音質な音楽制作・配信をぜひ試してみてほしいです。

