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DACとは?オーディオ初心者向けにしくみ・種類・選び方を簡単に解説!

- DACって何?簡単に解説してほしい
- 結局DACの必要性がわからない
本記事では、オーディオ機器の一つであるDACについて簡単にわかりやすく解説し、紛らわしいオーディオ機器との違いやDACを選ぶポイントを紹介します。

「高音質は気になるけど結局DACはよく分からない…」を卒業しましょう!
- DACとは何か、DACでできること
- 似たような機器との違い
- DACの種類
DACを使うと音質が上がる!

DACはパソコンやスマホなどの音楽再生機器と、イヤホン・ヘッドホンなどの間に挟むことで音質を上げられる装置です。
「音質が上がる」とは、具体的に以下のようなことを指します。
- ノイズが減って音がクリアになり、細かい音まで聴こえるようになる
- 音に立体感や広がりが出て、奥行きが感じられる
- ボリュームを上げても音が荒れにくくなる
- 聞き疲れしにくくなる
- 「高音質」なイヤホン・ヘッドホンの性能を引き出せる

何が変わったかまでは具体的に分からなくても、「おっなんか違う」と気づけるぐらいには変化があると思います!
DACとはいったい何?音が良くなるしくみをわかりやすく解説

「音質が良くなる」と言っても、どうして音質が良くなるのかわからなければ必要性がわかりづらいですよね。

音質って、どうしても主観になりがちですし…
DACが何をする装置なのか、なぜ必要なのかを解説します。
DACは「Digital to Analog Converter」の略
DACは「Digital to Analog Converter」の略で、日本語で言うと「デジタル-アナログ変換回路」です。
DACを「ダック」と読んだり、「D/Aコンバーター」と記載することもあります。
DACは「デジタルな音楽データをアナログに変換する」装置
DACは、デジタルな音楽データを、耳で聞こえる音に変えるためのアナログの電気信号に変換する装置です。
外付けDACの接続で音質が良くなる仕組みを簡単に説明します。
音が鳴るということ

音は物理現象であり、空気の振動です。
生演奏ではなく保存された音楽を聴くには音楽を記録したデータを人間が聴ける「音」に戻す必要があり、イヤホンやスピーカーがアナログ信号を空気の振動に変えて、人間の耳に届く「音」にしています。
デジタルとアナログの違い
データの記録方法には「デジタル」と「アナログ」の2種類があります。

雰囲気で使いがちですが、どちらも「情報の記録方法」を表しています。
デジタルは情報を「0」と「1」など数字に置きかえて、段階的に記録・処理する方法であり、アナログは時間や量の変化をそのままなめらかに連続して表す方法です。
【デジタルとアナログの違いの例】
- 時計(針が滑らかに動くアナログ時計・数字でわかりやすいデジタル時計)
- 温度計(水銀の上下で計るアナログタイプ・数字でわかりやすいデジタルタイプ)

デジタルの方が情報として認識しやすいけど、例えばデジタル温度計はアナログなら表せる小数点以下を省略してしまいますね。
音声データでも、同じことが起こります。
音の記録においては、以下のような違いがあります。
- アナログ…空気の振動をそのままなめらかな波の形をした電気信号として記録・再生
- デジタル…波を一定の間隔で区切り、数字として記録


ちなみにレコードやカセットテープはアナログ、CDはデジタルです。
スマホやパソコンで聞く音楽データは「デジタル」で記録されている

パソコンに保存された音楽やスマホのストリーミング配信の音楽、動画サイトの音声など、現代で一般的に使われている音声再生機器では音がデジタル形式で記録されています。
デジタルの音楽データはデータを正確に機械処理しやすく、複製が簡単で劣化しない点で優れているため広く使われています。
しかし「データ」を「音楽」として聞くためには、アナログに変換した上でスピーカーやイヤホンに送り、「音」に戻さなければなりません。

どれだけデジタル化が進んでも、人間の耳はアナログなんです。
そこで必要なのが、デジタルデータをアナログデータに変換するDACです。
DACは、デジタルデータの「点」をなめらかな波(カーブ)につなげてすきまを補完し、アナログの形に復元します。

音の変換精度の違いが、聴こえ方=音質を変える
同じ音楽データでも再生機器によって「聴こえ方」が変わるのは、スピーカーの性能の他に機器ごとのDACの性能差が影響しているからです。
「デジタル音源→アナログ音源に変換」の物理的な限界
デジタルからアナログへの復元で、「完全な元通り(録音・打ち込みした時の音をそのまま再生)」にするのは非常に難しいです。
デジタルデータで保存した時点でアナログ的な細かい情報は失われてしまっているので、デジタルのデータをもとにアナログデータを作り直しても元の波形には戻らないのです。


デジタル時計で省略された秒以下の情報は知ることができませんが、1秒間には人間にもわかる「間」がありますよね。
これが「デジタルデータ化で失われる情報」のイメージに近いです。
スマホやパソコンの低性能DACの限界
スマホやパソコンなどにも、一応DACは入っています。

DACがないと、そもそもスピーカーを鳴らせません。
しかしデジタル→アナログ変換の精度はDACの性能によっても変わります。
スマホは音楽再生に特化した機器ではないので、入っているDACは性能よりもサイズやコストの方が優先され、性能が低いものが入っていることがほとんどです。
デジタル→アナログ変換処理の精度によっては微細な音の違いが再現されず、不完全な復元で音質が下がってしまうことがあります。
限界を突破する?外付けDAC
物理的な限界を越えるのは難しいですが、内蔵DACの性能的な限界は外付けDAC(いわゆる「DAC」として販売されている製品)を接続することで改善できます。
コスパ・サイズ重視の内蔵DACよりも、音質重視の外付けDACの方が、より「きれい」な曲線のアナログデータを出力できるのです。


変換精度だけでなく、ノイズ対策や出力の強さなど音質を上げる工夫がされています!
外付けDACをスマホやパソコンに接続すると、音の変換処理は自動的に外付けDACが行うように切り替わります。
外付けDACを使えば、アナログデータの復元精度を上げ、微細な音が再現されて「音質が良くなった」音声を楽しめるのです。

私も初めてDACを使うまでは「音質の違いがわからなかったらどうしよう」と不安でしたが、イヤホンをつけてすぐに「これは違う、音がクリアってこういうことだ…」とわかりました。
DACとよく似た音響機器との違いを解説

はたらきが似ているオーディオ関連の機器とDACを比較し、DACの使い方や用途に合わせた買うべき機器を確認します。
いろんなオーディオ機器 | 主な用途 | DACとの関係 |
---|---|---|
外付けDAC | 音楽を高音質で聴く | – |
オーディオインターフェース | 高音質で録音してPCに送る、DTM向け | 内蔵 |
サウンドカード/ゲーミングDAC | PCの音まわりを強化、ゲームや通話で便利 | 内蔵 |
アンプ | 電圧・電流を強化、高音質スピーカー向け | 併用 |
ヘッドホンアンプ | 電圧をメインに強化、高音質ヘッドホン向け | 併用 |
「併用」…DACは入ってない、一緒に使えばさらに音質アップ
オーディオインターフェース(録音向け)との違い
DACは音の出力(デジタル→アナログ変換してヘッドホンに送る)だけを担当しますが、オーディオインターフェースは「入力(録音、アナログ→デジタル変換してパソコンに送る)」も扱う機器です。
DTMや高音質のナレーション収録などの場面で、マイクや電子楽器を接続して録音を行うときに活躍します。
DAC機能も内蔵していますが、聞くときの音質だけでなく録音するときの音質も必要なため、外付けDACよりは性能が控えめなことが多いです。

入力・出力両方大事なDTMをするならオーディオインターフェース、聴くだけなら外付けDACが適していますね!
オーディオインターフェースの中でも「ミキサー機能」「ループバック機能」を搭載している機種なら、特に音楽配信を高音質にすることができます。

サウンドカード/ゲーミングDAC(PCゲーム・ボイチャ向け)との違い
サウンドカード・ゲーミングDACは、パソコンに取り付けて音まわりの機能を拡張するためのパーツです。
ゲーム音とマイク音のバランス調整、7.1chバーチャルサラウンド、ボイスチェンジャーなど、配信や通話に便利な機能をまとめて扱えるのが特徴です。

昔は「サウンドカード」といえばPCの中に取り付けるものでしたが、最近はUSB接続のものが「ゲーミングDAC」として売られていることもあります。
サウンドカード・ゲーミングDACはDAC機能も搭載していますが、あくまで音質より機能の豊富さが重視された設計で、音楽鑑賞用と比べるとDAC性能は控えめです。

アンプ(スピーカー向け)との違い
アンプは、DACなどから送られてきたアナログの音声信号を「大きくする(増幅する)」ための装置です。
DACが音のアナログ情報を作り出す役割を持つのに対して、アンプはその音をスピーカーにしっかり届けるための電圧・電流(音を押し出すための力)を補います。

イメージとしては、英語で来た伝言を日本語に翻訳するのがDAC、それを拡声器で拡散するのがアンプ…みたいな
スピーカーを使う場面では、アンプがあると音を大きくしても音割れしにくく、迫力のある音が出せます。

ヘッドホンアンプ(高音質ヘッドホン向け)との違い
ヘッドホンアンプは、アンプの中でもヘッドホンを使うことに特化したものを言います。
高音質なヘッドホンの中には「高インピーダンス」と呼ばれる高い電圧を必要とするモデルがあり、高インピーダンスヘッドホンをそのままパソコンやスマホにつなぐと、電圧不足で音が小さすぎたり、音割れしやすくなったりします。

スピーカー用のアンプは電流と電圧の両方を強化、ヘッドホンアンプは電圧をメインに補います。
高音質のヘッドホンに本気出させるのに使います。
スピーカー用アンプは据え置き前提の製品がほとんどですが、ヘッドホンアンプは持ち運べるようなコンパクトなタイプ(ポータブルアンプ/ポタアン)や、DACの機能も搭載した「ヘッドホンアンプ付きDAC」などバリエーションがあります。

DACの種類と選び方

DACの中にも、接続する機器や用途に合わせた種類があります。
据え置き型DAC|デスクで音楽をじっくり楽しみたい人に
据え置き型DAC(デスクトップDAC)は設置してあまり動かさないことを前提に、スピーカーや大型ヘッドホンと組み合わせて本格的なオーディオ環境を構築したい人向けのDACです。
コンセントから電源供給が必要、大きめのサイズと持ち歩きには向きませんが、その分安定した音質や接続端子の豊富さなどで優れており、自宅でのリスニング環境を整えるには最適です。


ちなみに、ここでいう「スピーカー」は「ガチなデカい箱2つのスピーカー」なイメージです。
小型のポータブルスピーカーはDAC内蔵のことが多く、外付けDACを挟んでも音の変化は出にくいです。
ポータブルDAC|スマホでもPCでも高音質で聴きたい人に
ポータブルDACは、スマホやパソコンとUSBで接続して使えるコンパクトな外付けDACです。
据え置き型に比べて小型・軽量ながら、スマホでもPCでも高音質な再生を実現できるのが大きな特徴です。
外でもこだわった再生環境を整えたい人向けに作られており、高インピーダンスのヘッドホンでもしっかり鳴らせる駆動力を備えたモデルも多くあります。

スマホ用DAC|はじめての外付けDACにもおすすめ
スマホ用DACは、スマートフォン接続で手軽に音質を向上させられる小型の外付けDACです。
充電や電池などは不要で、USB-CやLightning端子に直接つなぐだけで使用できるため、設定不要で手軽に導入できるのが魅力です。

変換アダプタ感覚で使えるので、イヤホン端子がないスマホにお怒りの皆さんに試してほしい

DACに関するよくある質問

DACに関するよくある質問をまとめました。
まとめ|DACを使えば、普段の音楽がもっと楽しくなる

DACは、デジタル形式で記録された音声データをアナログ形式に変換するオーディオ機器です。
- スマホやPCなどの音楽再生機器にもDACが内蔵されているが、性能は高くない
- 外付けDACを使うことで音質を底上げできる
- DAC内蔵の他用途向け機器より、DACに特化した製品がリスニングにおすすめ
- DACは用途と使う場面で選ぶ

もちろん感じ方は個人差がありますが、私は初めてDACを使った時の「は~~??音楽たのし~~~!!!!」感が忘れられないです。
もしこの記事でDACがどんなはたらきをするのか分かっていただけたなら、次はぜひあなたの耳で「高音質」を感じてみてほしいです。
当サイトでは、初心者向けで特徴の異なるスマホ向けDAC2機種をレビューしています。ぜひご覧ください。
- 機能性と「音の解像度」がほしいなら…SHANLING UA4

- 手軽さと「音の質感」がほしいなら…iBasso Jr. Macaron
