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【実機レビュー】SHANLING UA4徹底解説!初心者におすすめのスマホ用DAC

- SHANLING UA4ってどんな機種?使用感は?
- 本当にスマホでも「高音質」になるの?
好きなアーティストが魂を込めて作った楽曲や歌声も、音質は再生するスマホやイヤホンの性能に左右され、時には劣化した音になってしまう…音楽が好きなあなたなら、「もったいない」と感じますよね。
とはいえ最近はスマホで音楽を聴くのが主流になっているのに、そのスマホにはイヤホンジャックがない機種が多く、有線で快適に聴ける環境を整えるのが難しくなっています。
しかし「スマホで聴く曲、音質悪い問題」は、スマホ+有線イヤホンの音質を上げられる装置「DAC」なら解決できるかもしれません。

私は諦めて無線イヤホンに移行していましたが、DACと出会い、気づけば有線イヤホンが手放せなくなってしまいました。
本記事では、初心者でも扱いやすくスマホでも簡単に使えるコンパクトなDAC/AMP「SHANLING UA4」を実際に使用し、オーディオ初心者目線でレビューしていきます。
接続方法や操作性、音の変化についてもわかりやすく解説します。
- オーディオ初心者にもおすすめ!SHANLING UA4の特徴
- SHANLING UA4でどんなことができるか・どんな接続ができるか

SHANLING UA4はどんなDAC?

SHANLING(シャンリン)は1988年に中国で創業したオーディオメーカーで、もともとはCDプレイヤーやアンプ、現在はポータブルDACやDAPが日本を含めた海外でも支持を集めています。
その中でも入門モデルのポータブルDAC/AMPであるUA4の特徴を紹介します。

「そもそもDACって何?」という疑問には、以下の記事でお答えしています!
スマホでも使えるコンパクト設計/初心者にもやさしい操作性
SHANLING UA4は、スマホやPCとケーブルで接続するだけで使用できるDAC/AMPです。

専用アプリや複雑な設定は不要で、つなげばすぐ使えます。
本体は手のひらに収まるサイズで、持ち運びにも適しています。

物理的なボリュームボタンがついていて、スマホやPC側よりも細かく音量を調整でき、また液晶画面もついていて操作がわかりやすいです。
コンパクトながらも機能性に優れた設計になっているのが特徴です。
音質に詳しくなくても、“違い”を実感しやすい
SHANLING UA4を使うと、スマホに直接イヤホンを挿したときと比べて、音がよりクリアに感じられる場面が増えます。
これは、UA4が中高音域の解像感を高める特性を持っており、音の輪郭がはっきりと聴こえるためです。

「音に立体感が出る」というのがイメージしやすいと思います。
初心者でも「なんとなく音が良くなった」「迫力がある」と実感しやすいのが、UA4の大きな魅力です。

SHANLING UA4の内容品・外観をチェック

SHANLING UA4の外観と付属品をチェックしていきます。

基本的には再生機器とお手持ちのイヤホンで使えますが、Lightning端子のiPhoneで使うなら別売りの変換ケーブルが必要です。
パッケージ内容とケーブルの種類
SHANLING UA4の内容品を紹介します。

- 本体
- USB-C to C OTGケーブル×1
- USB-A to C 変換アダプタ×1
- 説明書・保証書
外観|高級感ある金属製ボディ・液晶&物理ボタンで操作性◎

UA4は高級感のある金属製筐体で、色はゴールド・シルバー・チタニウムの3色展開です(当記事内の写真はすべて「チタニウム」です)。

チタニウムは高級感があって主張しすぎない色ですね。
情報が表示される液晶画面と再生/停止・ボリューム調整の3ボタンがついているので、ぱっと見でも直感的に操作ができます。


操作していない間、液晶は待機画面になります。
音符ふよふよかわいい…

UA4の対応端子をチェック

UA4の入力端子(音声再生機器とつなぐ側)はUSB Type-Cです。

付属のType-C – Type-CケーブルとType-A変換アダプタを使えばPC・スマホに接続できます。
Lightning端子のiPhoneで使うなら別売りの変換ケーブルがあると安心です。

UA4の出力端子(イヤホンとつなぐ側)は「3.5mmシングルエンドコネクタ」と「4.4mmバランスコネクタ」に対応しています。
イヤホンの挿す部分にはいくつかの種類があるので、大まかな違いを表にまとめます。
端子の種類 | 特徴 | よく使われる機器 |
---|---|---|
3.5mm端子![]() | 一般的なイヤホン・ヘッドホン用 | スマホ、PC、ポータブルオーディオ、ゲーム機 |
4.4mmバランス端子![]() | 左右独立でノイズに強い高音質設計 | 高級DAP(ポータブルプレイヤー)、ハイエンドDAC/AMP |
6.3mm端子(標準プラグ)![]() ※UA4非対応 | 主にスタジオ向け、頑丈で音の安定性重視 | プロ用オーディオ機器、ギターアンプ、オーディオインターフェース |
一般的なイヤホンは3.5mm端子なので、UA4でも問題なく使えます。

さらに高音質にこだわってみたい人は、4.4mmバランス端子のイヤホンと合わせて使うのもいいですね。
SHANLING純正アクセサリも要チェック!
UA4には付属していませんが、SHANLINGが別売りで発売している純正アクセサリも紹介します。
Lightning変換ケーブル「L3」

iPhoneの使用感レビューで詳しく紹介しますが、Lightning端子のiPhoneでUA4を使うには、データ転送に対応したUSB-TypeC – Lightningの変換ケーブルが必要です。
市販のケーブルはデータ転送の形式に対応していない可能性があるので、純正ケーブルも合わせて買うと安心して使えます。

有線イヤホン「TINO」

UA4はどのイヤホンとも合わせて使えますが、同じSHANLINGが発売しているイヤホン「TINO」は相性よく使えます。
他のイヤホンとも聞き比べしましたが、UA4と合わせて使うと分離・定位感や音域のバランスなどが心地よく感じられました。


以降の音質レビューには主にTINOを使っていますが、UA4単体の性能を確認するために、他のイヤホンや直挿しとの聴き比べも適宜行いながら執筆しています。
TINO用アダプタ(4.4mmバランスコネクタ/USB Type-C)

TINOには3.5mmの端子が最初からついていますが、取り外し可能になっており別売りのアダプタを取り付けることで4.4mmバランス接続・USB Type-C接続にも対応できます。
4.4mmバランス接続にすればさらにUA4+TINOが威力を発揮、USB Type-C接続にすればType-C対応のスマホなどにTINOを直挿しできます。


音質レビューで詳しく紹介しますが、より高音質を求めるなら4.4mmコネクタをぜひ使ってみてほしいです。
保護ケース
UA4専用の保護ケースも発売されています。

持ち歩きに困る重さではないものの、どうしてもポケットからはみ出やすいので、傷が心配ならあるとよいかもしれません。

SHANLING UA4の使い方をレビュー!|スマホ・PC・Switchで検証

コンパクトで持ち運びに便利なSHANLING UA4は、スマホ・パソコン・一部のゲーム機で使えます。
それぞれのデバイスで実際の使用感を確認し、どんな場面で使えそうかを調べました。
iPhone×UA4の使い方
UA4を使えば、iPhoneでどこでも高音質が楽しめます。
- iPhoneで高音質を楽しみたい
- 有線イヤホンの真価を引き出したい
初期設定不要でかんたん接続

iPhoneでUA4を使う手順は、ケーブルでつなぐのみです。
接続すると自動でiPhoneがUA4を認識するので、すぐに高音質リスニングをスタートできます。

ただし、Lightning端子のiPhoneをお使いの場合は、変換ケーブルの用意を忘れずに!
- iPhone14以前・SE → Lightning端子専用の別売ケーブルが必要
- iPhone15以降 → USB Type-C端子なので付属のケーブルで接続できる
\iPhone14以前・SEユーザー必見/

独立100段階音量調整が便利すぎる
UA4は100段階の細かい音量調整が可能で、場面や曲に合わせてちょうどいい音量に調整することができます。

iPhone(16段階)だと、1段階下げただけでも「下がりすぎ」な時ありますよね。

UA4の音量調整はiPhone側の音量調整とは連動しておらず、それぞれ独立して調節できます。
組み合わせて限りなく小さい音で聴くという使い方もありますが、おすすめなのは「iPhone側は最大にし、UA4側で音量を絞る」ことです。
iPhone側での音量調整はデジタルデータの段階で音量を落とす処理をしますが、音量を下げるとビット落ちという現象が起き、音質が劣化しやすいと言われています。

iPhone側を最大にして完全なデータをUA4に送り、UA4でアナログに変換した後に音量を下げることでビット落ちが起きず、音質が良くなるんですね。
バッテリーに関して|iPhoneの充電に注意!
UA4はバッテリー充電や電池などが不要で、接続した機器からの電源供給によって動作します。
そのためスマホで使う際は、スマホ本体のバッテリーの電力を消費して動くので、スマホ本体の充電の減りが早くなります。

Lightning(あるいはType-C)がUA4で埋まっているので、有線で充電しながらは使えないのがちょっと不便ですね…。
長時間連続して使うならワイヤレス充電器を準備しておくと安心です。


Qi規格のワイヤレス充電器で充電しながらUA4を使ってみましたが、発熱はあるものの使用に問題はありませんでした。
動画・ゲーム・通話での使用感
スマホの様々な使用場面で、どのように動作するか確認しました。
用途 | 使用感 |
---|---|
動画視聴 | 気になる遅延はなし |
ゲーム | リズムゲームでも遅延なく快適 |
通話 | UA4にマイク付きイヤホンをつないだが、イヤホンごと認識されず相手の音はスピーカーから鳴っていた |
外付けDACを使うときに遅延が発生するケースもあるようですが、私がiPhoneで使った範囲では遅延は特に気になりませんでした。
一方UA4は出力(スマホからイヤホンに向けて音を送る)専用の機器なので、イヤホンに付属のマイクはつないでも使えません。

iPhoneでの音楽試聴レビューは記事後半で詳しく書いています!

Android×UA4も使える
- Androidで高音質を楽しみたい
- 有線イヤホンの真価を引き出したい
Androidスマートフォンでも、USB-C端子を搭載していればSHANLING UA4と接続して使用できます。
ただし、Android端末は機種によってUSBオーディオの対応状況や動作安定性に差があるため、動作に制限が出る場合もあります。

Android限定の専用管理アプリ「EddictPlayer」が提供されているようですね。
パソコン×UA4の使い方

UA4はType-Cケーブル、もしくはType-A変換アダプタを使うことで、パソコンと接続するUSB DACとしても使えます。
- パソコンのイヤホンジャック音質に満足できない人
- PCの音楽視聴を手軽にグレードアップしたい人
パソコンもかんたん接続
パソコンでUA4を使う場合もドライバなどは不要で、接続するだけで使えます。
つないですぐに音が出ない場合は、Windowsならタスクバーのメニューから「サウンド出力の選択」をクリックし、「スピーカー(Shanling UA4)」を選択します。



ブラウザYouTubeやPC版Spotifyなど、一般的な音楽視聴なら特別な設定なしで使えました。
DTM・DAWでも使えるけど…

私が普段使っているDAWソフト(Cubase)でも、UA4を認識し出力先に選べることが確認できました。
ただし自分が以前作った曲のデータを再生してみると、良くも悪くも「ミキシングの方向性が強調される」ように感じたので、音楽制作の場面での継続的な使用には向かなさそうでした。

UA4は聴く側の人がより楽しく聴けるように作られているので、作る側の人がUA4ありきで曲を作ると、聞き手の環境によって曲が違って聞こえてしまいそうです。
とはいえ、ミキシングの方向性が迷子になってきたときの参考チェックや、普段のリスニングの音質を上げて「こんな表現もできるんだ」という気付きを得られるという点で、DTMをする人も持っておいて損はないと思います。

ゲーム機(Switch)×UA4の使い方

- FPS・TPSで敵やオブジェクトの位置を音で把握したい
- リズムゲームの曲を高音質で楽しみたい
SHANLING UA4はNintendo Switchなど、USB-TypeCに対応した一部のゲーム機でも使えます。

他にもSteam Deckなどで使えるようです。
PS5やXboxは使用できないとみられます。
Nintendo Switchでも使ってみました。
Switchで使うなら要注意!接続方法とモード切り替え
Nintendo Switchで使う場合は、UA4を「UAC1.0モード」にして接続する必要があります。
真ん中のボタンを押しながら差し込むことで、モードを切り替えられます。


携帯・テーブル・TVの全モードで使える
実際に使って検証したところ、Switchは携帯・テーブル・TVの全モードで使えるようでした。

テーブルモードはコネクタが干渉しないように、スタンドなどを使って工夫する必要がありますが…

TVモードの際は、付属のUSB Type-A変換アダプタを使ってDockにUA4を接続します。
環境によって異なるかもしれませんが、私の環境ではDock外側のUSBポートだと、UA4を認識はするものの音はテレビから出ていました。
カバー内側のUSBポート(USB3.0の青いポート)に接続しなおすと、UA4経由で音を聞くことができました。

遅延もなく音質良好!ゲームにもおすすめ
この後の音質レビューではスマホで聞く音楽を中心に書いていますが、Switchで聞くゲーム音の良さもUA4を使って感動したことの1つです。
UA4は音の分離感・定位感など音場表現に優れ、かつ心地よく聞けるリスニング向けのチューニングがされているので、特にFPS・TPSのような、さまざまな方向から聞こえる音を聞き分けたいゲームで大きな効果を実感できました。

BGM・環境音・射撃音・各方向のオブジェクトから鳴っている音…ぜんぶがまるで自分の周りに、実際に配置されているかのように聞き取れます。バンカラ街にたたずむだけで分かります。
遅延がないこともリズムゲームで確認しましたが、高音質で曲を楽しみながらプレイする喜びまで感じることができました。

SHANLING UA4の音質をレビュー!|様々なジャンルで聴き比べ

オーディオ機器は初心者だけど、自称ボカロPで楽器経験もありの管理人による、個人的な音質レビューをお送りします。
普段はリスニング環境にそれほどこだわってこなかった私が、今回は改めて「音の変化」に注目してみました。

t+pazoliteからベルリオーズまで
音質の変化はどんなふうに感じられる?
UA4のネット上のレビューや製品紹介を参考に、よく言われている音の傾向を表にまとめてみました。
項目 | よく言われる特徴 |
---|---|
全体の音傾向 | 明るめ、情報量が多い、シャープな音 |
低音 | タイトで控えめ。過剰なブースト感はない |
中音 | ボーカルや旋律が前に出やすい、明瞭 |
高音 | 細部の音がよく聴こえるが、イヤホンによっては強く出すぎる場合も |
音場・定位 | 広すぎず自然。定位は明確で聴き取りやすい |

明るい音色で、一つひとつの音がくっきりしているのが特徴のようです。
J-POPからクラシックまで聴き比べた感想
私がいろいろなジャンルの曲を聴いて、実際に思ったことをまとめて紹介します。
曲名(アーティスト) | ジャンル | 普段のイヤホンや記憶と比べた感想 |
---|---|---|
Garakuta Doll Play(t+pazolite) | ハードコアテクノ | それぞれの音がはっきりと聞き分けられるので、音数が多い曲も楽しく聞けそう。 |
ぼくらの16bit戦争(sasakure.UK(GUMI)) | ボカロ(エレクトロニカ/ポップ) | GUMIの声が非常にクリア。ピコピコ音の一つ一つが輪郭を保ったまま押し寄せてくる感じ。 |
ローリンガール(wowaka(初音ミク)) | ボカロ(ロック系) | ミクさんの声とバックのピアノが非常にクリア。ギター・ベースの音も音圧ばっちり。 |
晴れてハレルヤ(奥井亜紀) | J-POP(アニメソング) | いい意味で90年代サウンドのキラキラ感が出てる。アニメの世界観を思い出すような明るくて広がりのある音。 |
Rather Be(feat. Jess Glynne)(クリーン・バンディッド) | エレクトロポップ/ハウス | 弦楽器系の音と電子音が、別々だけど自然に合わさっておしゃれ。 |
Hello,world!(BUMP OF CHICKEN) | 邦ロック | 普通のイヤホンでは聞き取れなかった空間系エフェクト(リバーブやディレイ)が非常によく聞こえる。バンドの雰囲気に合わせたミキシングをしていることに初めて気づき衝撃。 |
DADA(RADWIMPS) | 邦ロック | BUMPとは逆に空間的な広がりはマットでコンパクトだが、定位感はすごいことを確認。それはそれでバンドの雰囲気に合っているのでまた衝撃。 |
Moanin’(チャールズ・ミンガス) | ジャズ | 最初のバリサクソロの反響がエグすぎて笑った。ここは録音スタジオなのかもしれない。 |
幻想交響曲 第5楽章:サバトの夜の夢(ベルリオーズ(パリ管弦楽団)) | クラシック | 曲中の音量差が激しいが、弱くても小さくなくちゃんと聞こえるし、強くてもうるさくない。「音量差」ではなくメリハリとして快適に聞ける。 |
全体として「音に立体感があり、残響系のエフェクトの効果が特に聞き取りやすい」という印象を受けました。

一応作り手の私ですが、実を言うとミキシング(各楽器の音量・左右バランスを調整したり、エフェクトをつけたりして曲を整える作業)には苦手意識があります…。でもUA4を使って大好きな曲を聞いたことで「ミキシングは世界観づくりなんだ…」という謎の気付きを得ました。修行してきます。
低音は控えめな気がするので「低音の厚さを感じたい」という方よりも、ベースの弾き方などのニュアンスを楽しみたい方に向いているかもしれません。
ボカロ民にこそすすめたい、UA4の歌声再現力
私がUA4で音楽を聴いてみて最も衝撃だったのが「初音ミクやflower、ちょっと古めのGUMIなどの曲でボーカルがめちゃくちゃ聞きやすい」ということです。

もちろん可不や重音テトなどの最近のAI系のボイスも聞きやすいんですが、AI調声技術が入る前のボカロを使った曲で顕著に感じました。
調べてみたところ、以下のような元音源の性質やUA4の特性によるものと考えられます(独自の見解です)。
ボカロ曲の特徴 | 解説 | UA4を使うと… |
---|---|---|
VOCALOID™5以前のボイスバンク | サンプリングベースの音声合成技術のため、最新のAI系ボイスバンクに比べると音の情報量が少ない | DACの効果で失われやすい細かなデータを高精度に復元 |
ボイスバンクのキャラ性を活かした音作り | 機械的な声のエッジ感を活かした曲が多く、環境によって聴き取りやすさが左右されることもある | UA4が細かなニュアンスを再現、自然な表現をサポート |
ボカロPのこだわり | 「神調教」で細かな歌い回しを作り込んでも、一般的な環境では再現しきれないこともある | 分離感に優れたUA4が細かな歌い方を忠実に再現 |
ボーカルの音域 | 中~高音域が中心のため、再生環境によっては伴奏に埋もれたり、逆に強調されすぎることもある | UA4は中高音域をクリアに聴かせるのが得意 |
ボカロ特有の高音が多い曲 | 特に初音ミクなどの一部の曲では、非常に高い音域の声が多用される。リスニング環境によっては音がつぶれたり、耳に刺さるような音になることがある | 高精度なDAC変換と中高域チューニングにより、高音を刺さらず自然に、かつ繊細に聴き取ることができる |

ロック系やダンスミュージック系のボカロ曲を聞きがちなので、伴奏の解像度が上がったうえでシンガーが一歩前に出てくるような感じに感動してしまいました。
ボカロ曲の魅力は、キャラクターの声だけでなく、そこに込められた表現や世界観にもあります。UA4を使うことで、歌声や細かなニュアンスまで、より自然に聴き取れるようになりました。
ボカロを愛するあなたにこそ、ぜひ一度この変化を体験してみてほしいです。

イヤホンや接続方法でも音の印象は変わる?

iPhoneSE(Spotify使用)+ UA4 + 4.4mmバランスコネクタ + TINOでレビューしてきましたが、どこまでがUA4の力でどこからがイヤホンの力なのかの切り分けは正直困難です。

とはいえ、同価格帯のイヤホンを含めて組み合わせを試した結果上記の構成がベストだったと言えます。
組み合わせを試す過程で気づいたことをまとめます。
イヤホンの違い
「いいイヤホンで聴けばそりゃ音質は上がるでしょ」と思いがちですし、間違いではないです。
しかし、一般的に「いい」と言われる高性能なイヤホンが本領を発揮するためには、DAC/AMPでイヤホンに適した電力を供給する必要があり、ただ直挿しするだけでは高級イヤホンはパワー不足で「宝の持ち腐れ」になってしまう可能性もあります。

いいイヤホンはDAC/AMPがあってこそ…なこともあるみたいです。
また同価格帯の他社のイヤホンをUA4につないでみると、イヤホンによっては高音がやや強調されて感じることがありました。
これは製品自体の良し悪しではなく、DACとの相性によって、音域バランスの感じ方に違いが出ることがあるためだと思われます。
「いいイヤホンならなんでもいい」わけではなく、「こういう音作りをしよう」という方向性を共有している同じ会社の製品同士だと相性が良く、より自然で聴きやすい仕上がりになる可能性があります。

3.5mm接続と4.4mmバランス接続の違い
4.4mmバランス接続でTINOを試したところ、3.5mm接続と比べて同じボリューム設定でも音圧が上がることで結果的に音が少し大きく、力強く聴こえる印象を受けました。
これは単に音量が上がったわけではなく、バランス接続によって出力の余裕が増し、イヤホンをしっかり駆動できるようになったことによる変化です。
接続 | 印象 | 技術的な背景 |
---|---|---|
3.5mmアンバランス | クリアで聴きやすいけど、中低域の厚みは控えめ(=若干「軽い」感じ) | 出力パワーが控えめで、ドライバの駆動が完全じゃない部分がある |
4.4mmバランス | クリアさはそのまま、中低域にぐっと厚み・力強さが加わった | 出力電圧・電流量が増えることで、ドライバがしっかり動くようになった |

3.5mm接続で十分感動していましたが、4.4mmバランス接続を試すとより感動が深まったと思います。
普段使いでは3.5mm接続でも十分ですが、「さらに音の質感を高めたい」と感じたら4.4mmバランス接続にも挑戦してみる価値はありそうです。

SHANLING UA4はこんな人におすすめ!

レビュー結果を踏まえて、SHANLING UA4がどんな人におすすめかをまとめます。
スマホで聴く音楽を、もっとクリアで自然に楽しみたい人
SHANLING UA4を使えば、普段スマホで聴いている楽曲が格段にクリアになり、細かな音まで自然に聴き取れるようになります。
特にボカロやアニソンのように高音域が多用される曲では、音の刺さりや荒れを抑え、滑らかに響かせる効果が期待できます。

親の声より聴いた曲ですら、新しい発見がありました。
大好きな曲にもっと深く浸かれる感じはぜひ体験してほしいです。
スマホだけで音楽を楽しんでいる人が、音楽の新しい一面を気軽に体験できるアイテムです。
いいイヤホンをもっと活かしたい、でも環境整備は面倒だった人
「せっかく高性能なイヤホンを買ったのに、スマホ直挿しだと本領発揮できていない気がする」…そんなモヤモヤを抱えている人にも、SHANLING UA4はおすすめです。
高性能なイヤホンには適切な電力供給や駆動力が必要ですが、スマホ単体ではそれが不足することもよくあります。
UA4なら、コンパクトなままDAC/AMP機能を備えているので、イヤホンの性能を引き出す環境を簡単に整えられます。

つなぐだけで音質が上がるし、とにかく操作が簡単です。
スマホ一台+UA4だけで、イヤホン本来の実力を引き出し、リスニング体験を一段アップさせられます。
ゲームで「音の世界」に没入したい人
音楽だけでなく、ゲームの世界観まで楽しみたい人にもSHANLING UA4はぴったりです。
特にFPSやTPSのような、音の方向や距離感が重要なジャンルでは、UA4の分離感・定位感の向上効果を強く感じられます。
リズムゲームやアクションゲームでも、遅延のないクリアな音で没入感が大きく変わります。

Splatoonの音楽がもともと大好きなのですが、BGMとバトルの音が自然に共存していて、本当に楽しくプレイできました。
敵の足音や銃声を強調するDACもありますが、音楽もゲーム音も両方楽しめるDACはかなり少ないです。
UA4は、そんな両方を大切にしたい人にぴったりの選択肢です。
SHANLING UA4で、音の世界をもっと身近に-まとめ

スマホ対応のポータブルDAC/AMP「SHANLING UA4」を実際に使い、魅力を紹介してきました。
【SHANLING UA4の特徴】
- 音のクリアさと分離感に優れ、スマホでも手軽に高音質リスニングができる
- 音楽もゲーム音も自然に楽しめるチューニングで、没入感が大幅に向上する
- 初心者にも使いやすい操作性と、幅広い機器対応(iPhone・Android・PC・Switch)

私も正直「使って違いが分からなかったらどうしよう…」と不安でしたが、大丈夫、きっとわかります。
新しいリスニング環境は、音楽が大好きなあなたの毎日を少しだけ特別にしてくれます。
UA4が気になった今が、始め時です。
