【PR】DAW・プラグイン・機材はサウンドハウス
Cubase15発売!新機能を実際に使って解説&本音レビュー!【機能改修・AIステム分離】
「VOCALOID(ボーカロイド)」および「ボカロ」はヤマハ株式会社の登録商標です。

- Cubase15の新機能は?
- 最近Cubase14にしたけど、アプデの価値はある?
2025年11月5日に、SteinbergのDAWソフトCubaseの最新版「Cubase15」が発売されました。
本記事ではCubase15の実際のスクショやサンプル付きでアップデートの見どころを紹介し、「アップデートするべきか」といった疑問にCubase3年目の個人的な意見を交えて答えます。
管理人結論から言うと確かに面白い機能はあるんですが、14→15へのアップデートはちょっと微妙です。
- Cubase15の主な新機能・改修された機能
- Cubase15へのアプデは、お得なタイミングを待つのでいいかも
Cubase15のアップデートで追加された主な機能


2025年11月5日に発売されたCubase15では、主に以下の改修・新機能追加が行われました。
ほかにも様々な改善が行われていますが、本記事ではこの5つに注目して紹介していきます。
Cubase15新機能①パターンシーケンサー・モジュレーターが進化


Cubase14で追加された機能「パターンシーケンサー」「モジュレーター」に機能が追加され、より表現の幅が広がりました。
パターンシーケンサーに「メロディック」モード追加
公式紹介動画(英語)
Cubase14で追加され「ドラムには便利だけど音階楽器に使うのはイマイチ」という評価が多かったパターンシーケンサーに「メロディックモード」が追加され、メロディ作成にも便利な機能に進化しました。




メロディックモードを選ぶと、パネル左上でキーとスケールの種類を選択できます。スケールを設定すると、スケール上の音が自動でレーン上に追加されます。
自分でクリックしてシーケンサーとして使うのにも便利ですが、ランダム化ボタンを押すと一発でキーに合ったメロディが生成されます。


タイ・レガートの調整、音の間隔、音の細かさなども指定してランダムにでき、ランダム化機能で独創的なメロディを探しながらも最終的には自分で細部までこだわれる機能です。





主旋律のアイデア出し・ベースラインや伴奏の装飾音作成などに非常に便利になりました。音楽理論が得意でなくても、今作っている曲のスケールさえわかれば作曲・編曲のハードルがぐっと下がります。
モジュレーターが6種類追加
公式紹介動画(英語)


Cubase14で追加された「モジュレーター(パラメーター操作を規則的に自動化する機能)」に、さらに6種類の変化方法が追加されました。


モジュレーターは波形の形にそった信号を送ることでパラメーターの数値を操作する機能ですが、新しい形の波形(Wavefold LFO)やランダムな波形(Random)、2つの波形を組み合わせて作る波形(Morph LFO)などが追加され、モジュレーションの幅が広がりました。
Cubase15新機能②エクスプレッションマップ機能の改修


公式紹介動画(英語)
「エクスプレッションマップ」の機能が大幅に改善され、MIDIで音を変化させられる複雑な音源での詳細な設定がやりやすくなりました。
たとえばHALion SonicのIconica Sketchのようなオーケストラ音源では、ピチカートやトレモロなどのアーティキュレーションをMIDIで指定できますが、ピアノロール上での柔軟な使い分けを可能にする設定は手順が煩雑でした。


新しいエクスプレッションマップ機能では、音源のアーティキュレーション機能が自動で読み込まれ、個別のタイミング微調整・キーエディター下部でのアーティキュレーション設定などが可能になりました。



エクスプレッションマップはよく分からなくて使えてなかった機能なんですが、これなら慣れれば使えそうな気がしました。
Cubase15新機能③AIステム分離(Stem Separation)


公式紹介動画(英語)
他社のDAWでも導入が増えている「AIステム分離機能」が、Cubase15でも搭載されました。



AIブームがとうとうCubaseにも…
完成済みの音源から個別トラックを自動抽出


ステム分離機能を使うと、すでに完成しているオーディオファイルをボーカル・ドラム・ベース・その他に分割することができます。
数秒~数十秒の待ち時間が必要ですが、AIを使用していて完全に自動で処理が行われるため、手作業での除去よりも時間はかかりません。
分割したステムは、リミックスやサンプリングなどに活用できます。
AIステム分離の精度は…?


別々のオーディオトラック・イベントが作られ、フォルダトラックに格納されます。
気になるステム分離の精度ですが、「完全にボーカル以外は除去」というわけではなく、曲によっては他のパートの音が混ざることもあるようです。



公式動画でも若干他パートが混入してましたね…
実際に自作音源(以前の記事のおまけで作ったSynthesizer Vボーカル曲)をステム分離し、一足先に同様の機能を実装していたStudio Oneでのデータと比較してみます。
| パート | Cubase Pro 15 | Studio One Pro 7 |
|---|---|---|
| 元データ | ||
| ボーカル | ||
| ドラム | ||
| 低音 | ||
| その他 | ||
Cubaseの方が若干待ち時間は短かったですが、品質は大差ないことがわかります。



元データを持ってるならそちらから持ってきた方が確実ですね。AI機能なので、今後のアルゴリズム改善次第かもしれません。
Cubase15新機能④新プラグイン追加
Cubase15では新しいプラグインが3つ追加されました。
| プラグイン名 | UI画像 | 使えるグレード | 用途 |
|---|---|---|---|
| Omnivocal Beta | ![]() ![]() | Pro/Artist/Elements | ボーカルシンセサイザー |
| Pitch Shifter | ![]() ![]() | Pro/Artist | リアルタイムピッチ制御 |
| UltraShaper | ![]() ![]() | Pro | ダイナミクスプロセッサー |
Omnivocal Beta:「ヤマハ製」ボーカルプラグイン


公式紹介動画(英語)
特に注目したいのが、インストゥルメントとして使えるプラグイン「Omnivocal Beta」です。Cubase同梱ですが、Steinbergではなく親会社のヤマハのロゴが入っているのに注目です。
Omnivocal Betaは、キーエディターに音符、ノートのテキストとして歌詞を入力することで、歌詞付きのボーカル音声を生成できるプラグインです。


現在ヤマハが販売している歌声合成ソフト「VOCALOID™ 6 Editor」に付属するプラグイン「VX-β」と操作方法が非常に似ています。
ボーカロイドはヤマハが技術として商標登録しています。「VOCALOID」とどこにも書いてないOmnivocalはボーカロイドかどうか(=ボーカロイドと同じ音声合成エンジンを使用しているかどうか)は詳細不明ですが、「ヤマハの最先端のボーカルシンセシステクノロジーを⽤いた」との記載が公式発表にあります。
Omnivocal は誰も想像していなかったような機能の一つです。我々はヤマハのボーカロイドチームと長年連絡を取っていたのですが、彼らが開発しているものを見せてもらったときには衝撃を受けました。この新しいプラグインの合理的なワークフローとシンプルさは、実に印象深かったです。
引用:インタビュー: Matthias Quellmann|Cubase 15: ⾳楽制作の新たな世界標準



VX-β(引用文中の「彼らが開発しているもの」?)はプラグインですが、Cubaseでのみ完全な形で使えます。
ヤマハとSteinbergの関係あってこそでしょうが、Cubaseに逆輸入(輸出?)されるとは思っていませんでした。
実際に同じデータを使って歌わせてみました。Omnivocalはピッチ編集ができない、英語に最適化されているため日本語のラ行の発音が苦手そうなど違いはありますが、全体パラメーター調整だけでかなり自然に歌ってくれます。
↓Omnivocal使用
↓VX-β(AI Megpoid)使用



ラ行はrじゃなくてlに置き換えれば十分いけるかもしれませんね。
合いの手を入れる・仮歌を入れるなど声のキャラクター性が必要ない場面では、Cubase単体で完結してしまう時代が来たのかもしれません。
Cubase15新機能⑤UI・ワークフロー改善
CubaseのアップデートではUIの改善が重ねられていますが、今回も地味に役立つアップデートがありました。
スタート画面が刷新
Cubaseを起動した時に表示されるスタート画面(Hub)が大幅に更新され、見やすくなりました。
\画面を比較/


プロジェクトが表示される部分が大きくなった・検索できるようになったことで、作業を再開したいプロジェクトに素早くアクセスできるようになりました。


また、起動画面でオーディオインターフェースの選択ができるようになりました。
今まではプロジェクトを開いてからオーディオ設定する必要がありましたが、Cubase15ではスタート画面の時点で利用可能な機器を選択できるようになりました。
正しく接続されているかテストできる、テスト音声機能も追加されています。



プロジェクトを開いてからオーディオインターフェースの電源入れ忘れに気づき、いったん閉じて電源を入れてまた開くのを待つ…という作業が不要になりましたね。
作業開始までの時間を短縮し、初心者あるあるの「音が出ない問題」の解決もしやすくなる良アップデートではないでしょうか。
オートメーション機能が使いやすく


オートメーションパネルで「最後に触ったパラメーターを一番上に表示」をオンにすることで、オートメーション書込をしたオートメーションレーンが下ではなく上に追加されます(初期設定ではオフになっています)。
書込でどんどんオートメーションを追加していくとき、迷子になりにくくなりました。
Cubase15の新規購入・アップデート価格・グレースピリオド


Cubase15を買う場合の価格についてまとめます。
新規購入価格は14から据え置き
Cubase15を新規購入するときの価格は、Cubase14から変更はありません。
| ↓エディション | Pro | Artist | Elements |
|---|---|---|---|
| 通常版 | 69,300円 | 39,600円 | 13,200円 |
| アカデミック版(学割) | 44,000円 | 24,200円 | 8,800円 |
| クロスグレード版 | 44,000円 | – | – |
公式サイトからも買えますが、通販サイトで「Cubase14」と記載されている商品を買っても無償で15にアップデートできます。
※Cubase14と記載があっても、これから新しく買えば最新版のCubase15を使えます。
アプデ価格もほぼ変わらず
旧バージョンや下位グレードからのアップデート・アップグレード価格もほぼ据え置きです。
| ↓持っているCubase グレード→ | Pro | Artist | Elements |
|---|---|---|---|
| Pro14から | 13,200円 | – | – |
| Pro12、13から | 24,200円 | – | – |
| Pro8~11、Cubase4~7.5から | 29,700円 | – | – |
| Artist15から | – | – | |
| Artist14から | 39,600円 | 9,900円 | – |
| Artist12、13から | 19,250円 | – | |
| Artist6~11から | 22,000円 | – | |
| Elements15から | 56,100円 | 26,400円 | – |
| Elements14から | 31,350円 | 3,630円 | |
| Elements12、13から | 4,840円 | ||
| Elements6~11から | 56,100円 | 6,050円 | |
| AI12~15から | 60,500円 | 34,100円 | |
| LE12~15から |



この表の値段ですべてのアップデート・アップグレードが買えるのは公式サイトのみです。
グレースピリオドは2025年10月9日以降
Cubase15のグレースピリオドは2025年10月9日以降となっています。
グレースピリオドとは、有償アップデートの直前に旧バージョンを買った人が、救済措置として無償で新バージョンにアップデートできる制度のことです。
グレースピリオドの開始日以降に旧バージョンをアクティベートした人が、グレースピリオドでの無償アップデート対象になります。
当初公式サイトに「2024/10/10以降」と記載がありましたが、発売翌日(11/6)の17:00に修正されているのを確認しました。バージョン名などの誤植もあったので、最新の公式情報をよくご確認ください。



2024年はさすがに嘘だと思って100回は見直したんですが、投稿直前に見たらやっぱり嘘でした…。
公式サイトによれば、グレースピリオド対象者はSteinbergアカウントページのクーポンコード欄に15アップデート用のシリアルコードが配布されるとのことです。


虚無でした。
Cubase15に有償アップデートするべき?→正直ステイかも


Cubase15の新機能を紹介してきましたが、正直に言うと「絶対アップデートするべき」というほどではないと個人的には思います。



私は12からCubaseなので小数点時代は知らないんですが、「15」というよりも「14.5」と言われた方がしっくりくる気がします。
新機能紹介ページで最初に紹介され、自分でも使ってみて便利だと感じたのはステップシーケンサーのメロディックモードですが、そもそもステップシーケンサー自体は14で実装され「まだ改善の余地がある」とされていた機能です。
完全な新機能もAIステム分離だけと言えますし、今回のアップデートは「14の補完」という印象があります。
13以前のバージョンを持っている人で使ってみたい機能があるならアプデしてもいいかもしれませんが、特に14に有償でアプデした人は15へのアプデの恩恵が少ないかもしれません。



グレースピリオド対象じゃない人は、急ぎじゃなければセールまで待っていいかもしれません。
Cubase15は様子見でいいかも…?|まとめ


2025年11月5日に発売されたCubase15の新機能を紹介しました。
- 新機能は「メロディックパターンシーケンサー」「AIステム分離」「Omnivocal Beta」など
- 有償でのアップデートの価値は限定的…かも
- グレースピリオドは2025年10月9日以降
使ってみて楽しい・より作業しやすくなる機能追加は確かにありましたが、13や14のアプデと比べると「ワクワクは控えめ」と個人的に思いました。



アプデしなくても使い続けられる訳だし、サブスク化しないだけマシかなと思う昨今
もし気になる機能があれば、新しいCubaseを試してみてください。














